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痔瘻(じろう)の手術の体験談


はじめに

痔瘻(じろう)になってしまい、手術&入院をしたので、その体験記である。

そもそも痔瘻とは、うんこが通る道から別の脇道ができてしまい、そこに細菌が入って膿み、肛門の近くの皮膚を破って排膿される。そうやって、バイパスのトンネルができてしまった状態だ。

最初は肛門の近くのデキモノで皮膚科に

最初の異変は、肛門の近くにデキモノができて座れないほど痛く、また、熱が38℃も出て体調も最悪であった。

当時は、痔瘻というものも知らなかったので、「デキモノだから皮膚科かなぁ」と思い、近所の皮膚科で診てもらうと、すぐに切開排膿してもらった。

デキモノを切って、ギュウギュウと絞るように膿を出すのだが、超痛い。。
しかし、膿を出し切ると、すぐにウソのように元気になり、熱も下がった。

「痔瘻の可能性が高いので、ちゃんと肛門科で診てもらって下さい。」と言われ、後日、肛門科を受診することした。

肛門科で受診

ということで肛門科に行き、問診を受けると、肛門に指を突っ込まれて触診されると、

医者「痔瘻ですね。あと、よく下痢するでしょ。」

と一瞬で診断され

わたし(え⁉ そんなに一瞬で全部わかるのかよ。医者ってすげー!)

と素人ながらに心の中で感心し、この先生に委ねよう決心した。そして、その場で手術の日程などを決めた。

そして、注意事項などの説明を受ける中で、

医者「下痢をすると、また膿が溜まる可能性もあるので、今後、絶対下痢をしないでください。」
わたし「え、下痢しないのって、無理じゃないですか?」
医者「じゃあ、薬を出しておきますので。」

ということで、ミヤBM錠という典型的な整腸剤を処方してくれたが、絶対に下痢をしてはいけない生活がスタートしてしまった。
今後、この先生に会うたびに、「下痢をしてませんよね?」と聞かれることになった。

手術のための検査

手術の一か月前に、大腸の内視鏡検査を行った。痔瘻の人は大腸の病気を併発しているケースがそれなりにあるので、チェックする必要があるらしい。

まず、病院の個室で1時間くらいかけて、モビプレップというポカリみたいな味の下剤を1リットル以上飲み、腸内をカラッポにした。

なお、個室は、狭い部屋にトイレがついているだけだが、非常に清潔感があって、さらにiPadが置いてあり、Amazon Primeで映画などが見れるという充実っぷりで、かなり快適であった。

その後、肛門から内視鏡を入れて検査するわけだが、腕からの麻酔ですぐに眠ってしまい、目覚めると終わっていた。痛みや苦しさもなく、非常に楽な検査であった。そして、幸いなことに、検査結果は異常無しであった。

聞くところによると、病院によっては、昔ながらの内視鏡検査を行っているところもあり、これは結構つらいらしいので、検査する病院は良く調べてから行ったほうが良いと思う。

余談だが、麻酔で寝落ちする感覚が、案外気持ちよくて好き。

いよいよ手術

手術の日は9時に病院へ行った。その日の体調などの問診や手術の注意事項などを説明され、同意書にサインをした。
その後、入院する部屋に案内され待機し、13時ごろに手術室に運ばれ、オペ開始となった。

まずは麻酔。脊髄くも膜下麻酔というやつで、背中から針を刺され、脊髄に麻酔を注入された。下半身麻酔なので、下半身の感覚はないが、意識ははっきりしていた。
そして、執刀が始まると、肛門付近で切られているのはわかるのだが、痛みなどは一切ないという不思議な感覚だった。止血のために焼いたりするらしく、焦げたにおいがしていた。

45分程度で手術が終わった。

手術終わりに、執刀医から、

医者「(摘出した2つの肉片を見せながら、) ついでにいぼ痔も焼いておきました。」
わたし「え、おれ、痔瘻だけでなく、いぼ痔でもあったんですか?」
医者「はい」
わたし「まぁ、いぼ痔も治ってしまって、ラッキーなんですかね?」
医者「まぁ、そうですね。」

ということで、いぼ痔でもあったことが発覚したが、それと同時に治ってしまった。

そして入院

麻酔の副作用

これは、手術の前に説明されていたのだが、

医者「術後は麻酔のせいでおしっこが出づらいです。ただ、膀胱に水分が溜まってしまうので、夜になっても出ない場合は、尿に管をいれて排出します。」
私「尿道に管を入れられるの、手術より怖いんですけど。。水を飲むのを我慢してはダメなのですか?」
医者「点滴で水分を入れるので、ダメですね。」

ということで、自力で排尿できないと厄介なことになるらしいが、私の場合は自力で排尿できた。めでたしめでたし。

排便はリハビリ

医者「手術後に肛門筋を動かさないと、その形で固まってしまって良くないので、必ず形のあるうんこをして肛門の筋肉を運動させてください。」
わたし「なるほど。わかりました。」
医者「ただ、肛門が動くということは、手術の傷も動いてめちゃくちゃ痛いと思いますが、リハビリだと思ってがんばってください。
わたし「たしかに、めっちゃ痛そうですね(笑)」

ということであったが、実際、排便が非常に痛くてつらかった。
入院中は、排便して、その後は痛くてうずくまる、ということを繰り返していた。

また、小さな発見なのだが、痛いと便意は消えてしまうと気づいた
そのため、便意を感じると、
→排便するが、痛いので全部出し切る前に便意が消える
→うずくまって痛みが引くのを待つ
→痛みが引いてきた頃に出し切れかなった分の便意が来る
→排便するが、痛いので全部出し切れず・・・
ということで、複数回に分けて排便し、何度も痛みを味わうことになった。術後1週間は、これ一番がしんどかった。

そして退院

退院した。4泊5日の入院であった。
この時は、ゆっくりとなら歩ける状態だが、運動などは無理。また、患部にガーゼを貼っておかなくてはならないといった状態で、退院後も家でおとなしい生活をしなくてはならなかった。

その後、経過観察として定期的に病院に通い、徐々に回復していった。

クリニック情報や治療費など

通ったクリニックと、かかった費用を記載しようと思う。なお、わたしは東京在住であり、近郊の方の参考になれば幸いである。

通ったクリニック

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