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飛び込み営業デビューした日のこと

26歳、転職3社目。
入社3日目が人生初の飛び込み営業デビューだった。
GoogleMapはおろか、スマホさえなかった時代のこと。飛び込み先は、個人宅ではなく企業。その大半が自営だった。

同期ふたりは営業経験者
それぞれ違うエリアを振り当てられ14時前に出発。
「30件訪問すること」
「新人3人とマネージャーでミーティングするので18時に戻ること」
という2つの指示が出た。

17:50には戻ってきていたと思う。
渡された訪問シートに書いた訪問先は28社。

人生初の飛び込み訪問、30件目標で28件。
大変だったけどよくやったほうかな、なんて思っていた。

30件に達してないのは私だけ

マネージャーは静かに「30件の約束だったよね」と言った。理由は聞かれなかった。

「18時に帰ってこないとならなかったので」
今にして思えばそれは理由ではない。

「30件って決めているんだから、とにかく、明日からは絶対に30件はクリアして」
翌日から1年間これを絶対に守ると決めて、毎日30件以上のクライアントへ必ず訪問した。

ありがたいことに、担当エリアには山ほど訪問先があった。本気で回れば30件なんて2時間半くらいで終わる。だいたい、話を聞いてもらえることがほぼないわけで、1クライアントあたりの所要時間はたったの2〜5分だ。

言われたことを誰よりも当たり前に

「30件」「訪問」すべき理由
(なぜ10でも50でもなく)(なぜ電話やメールでもなく)なんて、どうでもいい。

入社時に聞いた私のミッションは「1ヶ月の売上300万獲得」だった。当時1件あたり約10万、つまり30件の新規獲得であると。

入社したてだろうが、未経験だろうが、会社は私にその働きを期待して採用し、給与を支払っている。
お客様へのアプローチも上手ではない、お客様の方が情報量が多い、そんな状態の新人だから、1日30件訪問でクライアントとの接点をとにかく増やすこと。エリアに精通すること。それが仕事の第一歩だ。というか、マストだ。

営業なのに1円も売上を上げていない(のに給与をもらっている)新人がやるべきことは、当たり前だが、まずは言われた仕事を誰よりも当たり前に徹底すること

言われた仕事、とはすなわち、売上を上げる=お客様から支持いただくことに直結している。これが、決められた件数を守る意味の最たるものだ。

目標に対して惜しかったはない。目標はあくまで「絶対クリアすべきスタート地点」なんだ。

社会人4年目にもなって、脳天ガツンとやられた気分(マネージャーは声を荒げもせず問い正しもしなかったけど)

毎日30件訪問したからって急にたくさん獲得できたわけじゃない。最初の数ヶ月はあまり売れなかったし、立ち上がりが遅い新人だった。

でも。
なぜ売れないか?の理由が「やってないから」じゃなく「やり方が悪いから」ならば、やり方を変えるだけ。

量をやることで見えてくるものがある。

これだけやってるのになんで?と思えれば、やり方を工夫する。やり方を工夫すると、取り組み方が変わる。取り組みを変えると、結果が変わる。

それが、自分に与えられている、期待されているミッションに対して、決められた件数を守る意味の二つめだ。

飛び込み訪問を続けていると訪れる「壁」については、また書きたいと思う。

皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。