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新人営業パーソンの生命線は「情報量」

飛び込み営業が楽しくなり、アポイントも取れるようになってきた頃、なんとなく感じていたのは、情報量の少なさだった。

相手が求める情報を差し出せるか

どこの訪問先にも、定型文のように
「事例をお持ちします」と言ってしまいがちだったけれど、自分が持っていこうとしている事例は、その相手が求めているものになっていないんじゃないかと。

わたしのいた会社はとても情報がオープンなところで、いわゆる売れっ子が、自分だけにノウハウをためる、ということがなかった。トップ営業のノウハウが惜しげもなく全国展開されていた。つまり、全国のトップ営業が何をやっているのか、そして、クライアント先でどんな成果が出ているのか、全て見ることができた。

その中の1人のコメントに「全国の事例を全て暗記してます」と書かれていた。入社9カ月、とあり、社歴ほぼ同じなのに、わたしの倍以上の業績をあげていた。

トップ営業との差は何か

もう一度、それまでにもらった2冊の事例集を開いてみた。実は配られた時に読んだものの「すごい人がやってるすごいこと」だと思って、あまり頭に入っていなかった。

よく読むと、そこには、クライアントのお悩み、それを一緒に探りながら発見し、明確に炙り出し、具体的なソリューションに仕上げる流れや、導入後の変化、がたくさん書かれていた。

前職ではそのクライアント側にいたので強く実感していたが、サービス業の悩みはまず「売上」に紐づいていた。

例えば小売店であれば、どの店も売上を上げたい。それは共通している。ただ、形としての見え方はそれぞれに異なっている。

「もう少し夕方繁忙時のレジスピードを上げられないか」

レジの回転率を上げて待ち時間を減らし客数を増やしたい。スーパーは365日違う店というより、行きつけを作りやすいので、逆に見捨てられたら終わり。夕方の限られた時間を有意義に過ごせる店と認知してもらいリピートさせたい…

「特売品しか買わないお客様が多くて、客単価が上がらないな」

ついで買い、を思わず誘発するような陳列や導線がつくれないか。結局どこかで買うなら、いま一緒に購入していってもらいたい…

「店内調理の○○を一度買ってくれたら、うちの良さがわかるのにな」

○○が、絶対的なウリなのに買う人が少ない。原価もかけているし、常連さんはこれを目当てで来てくれてる人が大半だけれど、新規のお客様にこそ試してもらいたい…

そんな、さまざまなお悩みと、その解決策を全て見ることができるのだから、使わない手はない。ぼんやり眺めていた時間を惜しむように、全てを吸収しようと思った。

全ての事例を、自分の言葉で

本当に相手が求めているものは、「このエリアの他の店」のことなのか。そこに拘って、相手にもそう言わせているのではないか。

クライアントが求めているのは、売上を上げられる方法で、自分でもできそうで、リアリティがある生の声。

自分の中にある情報には限界があるから、自分の言葉で話せるほど読み込んで、相手に向けてアレンジして伝えればいい。

情報の質を上げることはもちろんだけど、新人営業であれば量でカバーすることはできる。誰よりも情報を持っている、というアドバンテージを持てる時間があるからだ。

皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。