相手に伝わる言葉で話す〜わたしとあの人の「ちょっと」は別物
営業を始めて3年目、毎月3.4社に新規でご発注いただき、毎月80社近いクライアントを担当することになっていた。
1人のキャパシティには限界がある
新規クライアント商談:月10〜15件
既存クライアントサポート:月80件訪問
メンバー同行:週1〜2件
社内ミーティング:リーダー会週1回、チーム会週2回
事業が音を立てて急拡大している時期で、その末端に参加できているのは楽しかったものの、これらを1人でやるのは正直無理で、結果として寝る時間を割くことに。
ありがたいことに、専任の打ち合わせスタッフ、サポートスタッフ、など新たな顔ぶれが一気に増え、新規商談や、チームメンバーとの1on1など、絶対にわたしがやるべきこと、の他は強力なヘルプ体制が立ち上がった。
1人では無理と思っていたから、ありがたい!と思っていたのに…体制スタート後すぐに、難題がわきあがる。
人に頼むのはもっと無理
と思ってしまったことだった。
毎月必死な思いで営業し、クライアントとも本気でぶつかり、「このクライアントのファンを増やす」ために仕事をしていた。だから、発注いただいた後のサポートには、新規営業以上の、並々ならぬ情熱を注いでいた。
そのサポート工程を、わたし以外の誰かに代わってもらうとなった時、「全く思っていたのと違う」結果になることがよくあった。
思い通りにいかないことを、協力者のせいにしようとしていた
どう考えてもひとりで巻き取れる仕事量じゃないからヘルプしてくれている人がいるのに、
「そうじゃなくて!」
「○○って、お願いしましたよね…」
イラつく私に、困り果てるサポートスタッフの表情。やることが増えて余計忙しいわ!なんて、思っていた。
自分の当たり前が相手の当たり前じゃない
よく考えたら、ここが思考から抜け落ちていた。後工程を担当してくれる方の「仕事」が思ったのと違うのだとしたら、それは、依頼する側の問題だった、と気づく。
わたしのオーダーが抽象的だったのだ。
「もう少し○○にしてください」
「きっちりした感じで対応」とか。
皆、わたしのオーダーに全力で応えようとしてくれていた。ただし、その人が思う「オーダー通り」のやり方で。
具体と抽象
そこから、依頼するときの言葉を変えた。
具体を示す
理由を添える
すると、「わたしがオーダーした通り」に仕事が上がってくるようになった。これは、本当に衝撃的で。
担当件数が多くて、チームリーダーで、組織でもキャリアの長い方の営業、であるわたしが「思ってるのと違う!」とイライラしていたら、相手は仕事ができないし、何よりクライアントのためにならない。
協力者にもベストを尽くしてもらうために
わたしと、わたし以外では、全体や背景が違う。
同じひとつの単語でも、解像度が違う。
だから、相手に伝わる言葉で話す。
わたしと同じ景色を、見てもらえるように。
1人でやるより、複数でやるほうが、遠くを目指せる。同じことをやるにも、時間短縮できる。そこを理解して、気持ちよく仕事をしたい。これは今でもずっと思っていること。
皆さんからのサポートは、子どもたちと新しい体験をしたり、新たな学びのために使わせていただきます。