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ジェネリック~その2・同等性~(2/3)

別の記事「ジェネリック~その1・登場~」で解説しましたように後発医薬品はそもそも医薬品の価格を削減する役割が期待されているわけですから、後発医薬品の絶対条件として、まず、先発医薬品より低価格でなくてはなりません。
ただし同時に、先発医薬品と同等の安全性と有効性を後発医薬品が保有していることも、絶対条件として求められます。
安全性と有効性が求められるということは、後発医薬品にも新薬の承認の際に実施されるような治験第三相試験と同じような手法で安全性と有効性が評価されるのでしょうか?
驚かれる視聴者の皆さんもたくさんいらっしゃるかもしれませんが、じつは後発医薬品の安全性と有効性を確認するために、第三相試験と同じような比較対照試験は実施されないのです。

臨床試験は実施してくれないと・・・

第三相試験・比較対照試験につきましては【「第一相試験」と「第三相試験」】【「介入群」と「対照群」】にも関連記事がありますので、閲覧してみてください。

後発医薬品メーカーには、後発医薬品がオリジナルの先発薬と比較して同等かどうかという同等性を調べる試験の実施だけが求められているに過ぎないのです。

「同等性」には、化学的同等性、製剤的同等性、生物学的同等性、臨床的同等性という4つの評価項目がありますが、この中でたったひとつ、後発薬の承認審査については生物学的同等性を証明するだけで良いことになっています。
もっと平易な表現にすると「同等かどうか」=「同等性」の評価は「生物学的同等性」=「薬を内服して有効成分を目標とする時間内に目標とする血中薬物濃度に到達させることができるかどうか」を評価するだけで良いのです
厚生労働省は具体的な生物学的同等性試験の手順を「生物学的同等性試験ガイドライン」に定めて公表しています。
これは日本だけの基準ではなくて、世界基準でもあります、管理体制は米国や欧州と比較しても劣ってはいません。
読者の皆さんは「後発医薬品の管理体制はわかったけど、実際のところ、先発品と比べてどうなの?」という疑念が拭えないのではないでしょうか?

一定の効果は保証されていないと・・・

さきの「生物学的同等性試験ガイドライン」で、生物学的同等性試験の結果が先発薬の血中薬物濃度値の80%~125%であれば許容範囲とされていますので、この範囲で後発医薬品は一定の安全性と有効性が保証されていると理解してください。
しかしながら80%~125%の許容範囲ということは、45%も幅があるということですが、これがしばしば議論の対象になっていることも事実です。

その3に続きます

では、別の記事「ジェネリック~その3・DDS~」で、「先発医薬品と後発医薬品の差」および「後発医薬品メーカーが違うことによる後発医薬品どうしの差」にせまってみましょう。


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