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2024年東大理系数学 予想問題 (前半戦まとめ)

  はじめまして。これまでTwitterで数多なる伝説を残してきた勉強界隈の神
はるひ野です。ちなみにこれが初めてのnoteの利用になります。
  さて本題はここからdeath.
  えーいまツイッターじゃないやXで東大数学2024(理系)の予想問題を載せているのですが、第1問〜第3問が最近やっと完成したので難易度分析等を書き記していきたいと思います。(※あくまでも作問者「個人」の見解ですのでご理解の程よろしくお願いしmath. 異論は認めmath.)
  「先に問題を解きたい」という方は、下に問題が貼ってあるので、スクショするなりノートに写すなりしてください。

評価基準について

〈難易度〉
東大本試の標準レベルをCとして、
A:易(絶対落とせない) B:やや易(できれば取りたい) C:標準(差をつけたい) D:やや難(後回し) E:難(捨て問)の5段階とします。
〈項目別難易度〉
まず、某鉄◯会東大数学問題集でもおなじみの、発想、計算、論理性、時間の4観点からの評価を行い、それぞれ東大本試の標準レベルをBとして、
A:易 B:標準 C:難 の3段階とします。

第1問

ツイッター(X)2023/7/24 の投稿より引用

〈解答解説〉

〈設問別分析〉
出題分野:(1) 三角関数、(2) 数列
難易度:(1) B (2) C 全体:B
項目別難易度:発想:B 計算:A 論理性:B 時間:A
〈コメント〉
  本試で出題されたら完答を狙いたい一問だったと思います。2問とも問題を見た瞬間一瞬どう解けばいいか目処が立たなくなるかもしれませんが、いざ着手してみるとただの見掛け倒しであることに容易に気付けると思います。
(1) cosを解とする3次方程式の求め方として、cosθ + i sinθ = k とおき、kの方程式を立て、k + (1/k) でくくるのが定番(模範解答の解き方)ですが、この問題、3つの解すべてが cos(3θ) = 1 を満たしていることに気づけば3倍角の公式で瞬殺できることがわかります。三角関数の扱いに慣れていればこれに気づくのはそこまで難しくなく、容易な一問であったと思われます。
(2) この形を見れば数学的帰納法を適用するのが自然な発想の流れだと思います。しかしここからが問題です。この問題の鍵となるのは、「I_n の変形の仕方」となるのですが、(1)で求めた3次方程式における「解と係数の関係」をうまく利用して、I_n = (a+b+c)(I_(n-1)) - (ab+bc+ca)(I_(n-2)) + abc(I_(n-3))
(n≧4) としたものに代入すれば、I_n = 3(I_(n-2)) - (I_(n-3))となり、数学的帰納法が適用できる形に変形することができます。
  あとはI_1, I_2, I_3 を求めてそれが3の倍数になることを示し、、I_k, I_(k+1), I_(k+2) の成立を仮定したときにI_(k+3) も(3の倍数になることが)成立するといった形で数学的帰納法を用いることができれば証明は完了します。
  恒等式をうまく変形し、数学的帰納法をうまく適用することがポイントになります。個人的には非常に上出来な1問だと思います。

第2問

ツイッター(X)2023/8/19 の投稿より引用

〈解答解説〉

〈設問別分析〉
出題分野:(1), (2) 整数の性質
難易度:(1) A (2) E 全体:E
項目別難易度:発想:C 計算:B 論理性:C 時間:C
〈コメント〉
  (1)は非常に簡単な典型問題ですが、(2)がかなり難しいと思われます。(2)に関しては、東大よりかは数オリといった、競技数学に近いけど受験数学の要素も多く含まれている問題だと言うことができます。
(1) 典型問題です。まずひとつの分数を3つの分数にバラせば、和が3以下であることが容易に証明できます(自明です)。あとはn_1が1,2,3になるような(a,b,c) の組がいずれに対しても存在することを示せばこの問題は以上です。
これができなかった人は相当やばいと思いますよ
(2) ここからがかなり難しいです。本番なら早めの段階で捨ててしまっても問題ないかと思います。まずこれも(1)と同様に3つの分数にバラします。ここで「a≦b≦cとしても一般性を失わない」としてa,b,cの範囲を絞るのは定石。この条件を用いて文字を減らして、n_2の範囲を絞ります。しかしこれだけでは(c/ab)の項が消えず、議論を進めることが極めて難しい状態です。
  ここでcの範囲を絞る際に、"Vieta Jumping"という手法(整数問題で2次方程式の解と係数の関係を用い、矛盾を示したりある文字の範囲を絞ったりする手法、詳しくは https://manabitimes.jp/math/886 を参照のこと。)が有効になってきます。まず与式をcの2次方程式の形に直し、cをxに置き換えることで、cを実数解の一つにもつxの2次方程式を作ることができます。このとき、xの2次方程式において解と係数の関係を考えることにより、その2解がともに正の整数であり、積が a²+b² になることがわかります。ここからが大切で、xの2次方程式の2解のうち、どちらをcとしてもn_2の値は変わらないということに着目すれば、x≦√(a²+b²) の方の解をcとして採用しても全く問題ないことがわかります。したがって、c≦√(a²+b²) として議論でき、a>0,b>0 のとき a²+b² < (a+b)² なので、c≦a+b として議論することができます
  このようにcの値を絞り込むことができればこの問題の大半は終わりです。あとは模範解答のように計算を行えば、n_2 < 4 を示すことができます。
  あとはn_2 = 1,2,3 となる(a,b,c)の組を探せばいいわけですが、n_2 = 2 を満たす(a,b,c)の組は存在しないことに気をつければ(証明は模範解答を参照。)、n_2 = 1,3 の答えに辿り着く事ができると思います。
  この問題でcの範囲を絞るために Vieta Jumping を使うのを思いつくのは決して簡単ではありませんが、整数問題(特に競技数学)でそこそこ使われる手法なので、知らなかった人はこれを機に一度確認しておきましょう。

第3問

ツイッター(X)2023/8/22 の投稿より引用

〈解答解説〉

〈設問別分析〉
出題分野:(1) 図形と方程式、積分法(数3)、(2) 図形と方程式
難易度:(1) C (2) D 全体:D
項目別難易度:発想:B 計算:C 論理性:B 時間:C
〈コメント〉
(作成中のためしばしお待ちを)

おわりに

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
いずれ第4問〜第6問が完成したら総集編も作ると思いますので楽しみにしておいてください。

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