普通のおばさんになりたかったお局の世迷い言

 今年は、たまたまTVで拝見したゲッターズ飯田さんによると「200年に一度大きく運気が変わり始める年」らしい。

そして子年、年女の私も10年来お世話になっている風水師さんによると、今年からガラッと運気が変わり、また新しい周期に入ったらしい。

確かにその通りになった。

昨年、体調不良で退職し、お一人様の私は高齢の両親の元に転がり込み、お世話になって、早一年弱。

「早く働け!」とハッパをかけてくれる両親には本当、申し訳ないが、症状はひどくなる一方だった。

頭痛、眩暈、息切れ、動悸、胸苦しさ、起立性低血圧、1ヶ月以上続く下痢、不眠、ほてりなどの自律神経失調症状、手のふるえ(更年期障害)、焦り、不安、うつなどの精神症状。

今、世界中の医療従事者の方々が最前線で奮闘されてるのに、かたや私は何の役にも立っていないばかりか、高齢の両親の世話になっている始末。

TVでは、自分よりはるかに年上の女性芸能人の方々が華やかに優雅に輝いて、活躍されている。

すごいなぁ〜、羨ましいなぁ〜。

と尊敬する反面、自分の不甲斐なさ、自分とのギャップに更に落ち込んでいく。

自分が情けなくて、世の中に申し訳なくて、辛くて、悲しくて、しんどくて、苦しくて。

自分を責め、自己否定に苛まれる日々。

過去に弟から言い放たれた「結婚も出産もしないで、女として生きてる意味がない!」という言葉が何度も何度も頭の中でこだまし、追い討ちをかけてくる。

弟よ、まず妊娠しなくちゃ出産できないんだよ!なんて揚げ足をとる気力もなく。

悲しいかな、自己価値観が低くHSPの項目にほぼ当てはまるKYな私は、上手く人と繋がれない。

自己価値観を上げたくて自己啓発系セミナーも沢山受講したけど。

お金がかかるばっかりで、良くなるどころか、ある講師から言われた「あなた、このままだと貧乏孤独死よ!」という暗示(呪い)にかかり、さらに塞ぎ込むようになる。

何やってるんだろう、私。

もうどうでもいい、いっそ消えたい、死にたい、楽になりたいと思うようになった。

そんな時、助けを求めてワラにもすがる思いで2017年からお世話になっている先生に、ネットカウンセリング(※NHA 逆転のコミュニケーション法)をしてもらった。

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すると、次第に今まで自分を犠牲にしてここまで頑張ってきたんだから、今は休んで良いんだよね、と思えるようになった。

身体を労って治す時間なんだ!と。

そして何より、まだ自分を幸せにしてない!

「死ぬ気になったら、自分を幸せにすることも可能なんじゃないか?」ってことに気が付いた。

今回も、助けてくれてありがとう!先生!

そこからやっと方向転換!

身体を治し元気になって、自分を幸せにするんだ!と生きる意欲が出てきた。

両親に親孝行をして、恩返しするんだ!と思えるようになって、気持ちがかなり楽になった。

そうだよね。

今までの感情をひっくり返して、私は今まで頑張って来たんだ!職場に貢献してきたんだ!身体が悲鳴を上げるまで奮闘してきたんだ〜!と思ったら、泣けてきて、号泣した。

ごめんね。

自分のことを一番分かってなくて、一番傷付けてきたのは自分だった。

今までありがとう!そしてこれからもよろしくね。

ナースとして働いてきた二十数年。

色んなことを乗り越えてきたよね。

20代で集中治療室で働いていた時は、先輩ナースから「あなたが15分でも目を離したら、この患者、死ぬからね!」と容赦ない言葉をかけられた。

パワハラ、モラハラなんて言葉がまだない時代。

皆、不安定な状態の患者さんを受け持ち、待ったなしの状況で真剣で必死だった。

だから、殺伐とした空気になることもあった。

そんな半端ないプレッシャーの中、半泣き状態で手に汗握って必死で勤務して、緊張の連続だったっけ。

その時担当していたのが今、話題のECMO(体外式膜型人工肺)を装着していた患者さんだった。

TVでとある医師の方が「ECMOを装着するのに、最低でも5人の人手が必要だ」と言っていた。

今も昔も使用するのは大変なんだなと思った。

仕事を退職する数年前から眩暈があって、耳鼻科に通院していた私。

「看護師さんで夜勤やってるから、しょうがないか。自律神経乱れちゃうんだよ。職業病だね〜」と言われた。

「ねぇ、だからどうしたら治るんじゃい?仕事辞めるしかないってこと?そりゃ、辞めれるもんなら辞めたいわ〜!」と先生の優しい笑顔にまでイラッとするぐらい、荒んでいたあの頃。

貧血もあって、疲労困憊だったんだよね。

以前、ネットニュースで孤独死の遺品整理の仕事をしている方の記事を読んだことがあった。

孤独死が多い職業にナースが入っていることを知り、自分の事のようで愕然とした。

仕事で体力と気力を使い果たし、セルフネグレクトになるのだとか。

わかる気がした。

あの頃の私の会釈はKYなほど、長かった。

うつむくと眩暈がはじまるから動けないのよね。

それが治るのをそのままの姿勢で待つもんで、いつも相手が引いていたっけ。

手を洗う時も、手元を見るとはじまる眩暈。

だからいつも手元を見ないで、鏡を見ながら手を洗ってた。

今さらながら感染管理の観点から、それってどうなの!?ナースとしてどうなの!?って自分でも思う。

仕事に追われ急いでいるせいもあって、洗い終わって泡が落ちきってないこともあった。

だから結局、二度洗いで時間がかかって、意味ないことしてた。

階段も同様、前向きで足元見ないで降りようとするから、結局、転げ落ちそうで怖いんだ。

これは今もそう。

一番酷かった時は、あれ?アトラクションですか?

って位、手すりにしがみ付きながら、おっかなびっくり、へっぴり腰だった。

そして、もう一つ厄介だったのが、立ちくらみ!

患者さんの車椅子を押しながら、立ちくらみでしゃがみ込む…。

消えるナース。

びっくりするよね。そりゃ。私が患者でも嫌だよ!こんなイリュージョンナース。

そう言えば、トイレで倒れたこともあったな〜。

これはまだ30代で自律神経失調症の症状はまだない時だった。

その時は鎮痛薬を飲んでもひどい月経痛で、トイレに向かっている最中に1度目の失神。

トイレの前の廊下で突然倒れた私。

それを目撃し驚いた患者さんが、ナースステーションに駆け込み、発覚!

病院の中でナースが患者さんに助けられるって…。

同僚のナースがストレッチャーを準備している間に、意識を取り戻した私。

見慣れない空間。

当たり前だよ、床に倒れた状態で下から見上げてたんだから。

初めて見た、下から、自動販売機。

こうやって見えるんだ、へぇ〜。

虫の視点てヤツかな…。

そして一瞬記憶喪失、ここはどこ?私は誰?(って本当になるんだ〜!って思ったよね)

「床が冷たい(そりゃそーだ、冬だもん)、あれ?何でここにいるんだっけ?」

「あ!そーだ!トイレ行こうと思ってたんだ。早く行かなきゃ!」

なんて呑気なこと考えながら、またフラフラと立ち上がり、トイレへ。

そしてすぐ2度目の失神。

トイレのドアから下半身だけ廊下に出したまま倒れている私。

しかも今から十数年前のこと。

この時まだツーピースじゃなくて、ワンピースだったんだよね。

ぅあああああ〜!!恥ずかしい〜!!!

なんてお見苦しいものを…。ううう。

今でも思い出す度、顔から火が出そうだよ!!!

あ、でも、まだ下着下ろす前で良かった〜。

不幸中の幸いってヤツ。

上半身はトイレの中、便器スレスレで奇跡的に頭部打撲なし。

こっちが本当の不幸中の幸いだよ。

トイレの床に顔がついたのを覚えてなかったのも幸いだった。

駆けつけた同僚のナースが発見、救助(この間、記憶なし)

診察台で意識を取り戻した私を心配そうに覗き込んでいる同僚ナース。

「もう〜!春野、死んだと思った〜!顔、土気色だし、血圧(収縮期、俗に言う「上の」)56しか無かったんだよ!!」

???

状況が飲み込めないキョトンな私に呆れて、仕事に戻る同僚ナースの皆様。

その節はお忙しい中、仕事を増やして本当に申し訳ありませんでした!!この時お世話になった皆様、助けていただき、本当にありがとうございました!!!心より感謝申し上げます。今更ながら恐縮しきりです!!!

我ながら本当にはた迷惑な話だよ。

ちなみに失神した原因はよく分からず、強い月経痛による血圧低下だったのでは?とのことで、本当に自分でも驚いた。

そして、「命を守る」「人に害をなしてはならない」という大きなプレッシャーを常に抱えているナースだって人間だもの、こんな時もあるよね。

普段、元気に働くために体調が悪い時は、もっと休みが取りやすくなると良いよね。

特に生理痛、自律神経失調症なんかは目に見えないから、偏見があったり、分かってもらえなかったりして辛いよね。

そしてもっと皆、安全に安心して働けるようになると良いよね。

ってことが、広く分かってもらえるようになると良いなと思う。

今さらながら私も結婚し、子供を産み育て、家庭を持ち、普通のおばさんになりたかった。

今からでも、できる範囲で元気な明るいおばさんになりたいと思う。

終わり


最後までこの拙い文章にお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。

五月雨式に失礼いたしました。

最後に!どうかくれぐれも誤解なさらないでください。

この内容はあくまで私個人の体験談で、他のナースを同一視することや、偏見を持たれることがないようお願いいたします。

今自分にできる範囲で、こんな私でも誰かのお役に立てれば幸甚です。

#キナリ杯

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