【あつまれどうぶつの森】あしたのはなし

あしたになったら島の浜辺にほしのかけらが落ちている。
あしたになったら、つぼみの花も咲いている。
あしたは川の北に橋をかけて、ボトルメッセージを探して海辺を散歩して、それから。

あしたに、ちょっと嬉しいことが待ってくれている。
ゲームの中のことだ。タイトルは「あつまれどうぶつの森」という。昔からのファンの方も多いシリーズで、私はプレイ歴も半端で、知識も足りなければ操作ももたもたしている。それでも、あしたは、と考えてしまう不思議なゲームだ。
「あしたが待ち遠しい」なんて、子供のときの世界にだけ使う言葉だと思っていた。
たとえマッチ一本分くらいに小さく灯るものでも、大人になってそんな気持ち、何という贅沢だろう。

怖いこと不安なこと泣きたいようなことがたくさん。
もちろん、わたしだけじゃない。
私程度、たぶんまだまだがんばれる。がまんできる。
でも怖い。眠りたくない。あしたが来る。

そんなときに、
あした、ただ待っていてくれる可愛い小さなものがある。
こんなときになって、そのことの大きさがじわじわ胸に沁みている。

怖い気持ちは消えないけれど、今日は眠ろう。布団に入って目を閉じよう。
あしたになったら、
あしたになったら、島の浜辺にほしのかけらが落ちている。