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眠れない時はあの歌を

僕は無音が苦手だ

だからと言って雑音はいいのかと言われたら雑音も無理なんだけど

深夜の無音は僕が大嫌いな父親のすり足の音がよく響く

その音を聞くたび、夢現の神経が過敏に反応して瞳孔は開き、呼吸は荒くパニック寸前まで追いやられる

足音が消えるまで心臓の音は大きく落ち着かない

ガタガタと体が震え布団を被り身を守る

どうしてそうなったか?

それは僕にもわからない

本当に、覚えがないんだ

何かされた?と、頭を巡らせても何も覚えてない

安定剤を飲んだあと、ゴソゴソと取り出すのは音楽プレーヤー

流すのはその時の気分で変わるが、まあ好きな曲

マイブーム

もしくはいつもの子守唄

「ユリカゴが揺れている」

アーティスト名は伏せるが、まあググればわかるか

僕の子守唄はこれだ

たまに浮気もするけど、もう何年もこれを子守唄にして眠っている

このボーカルの歌声が自分には精神安定剤でもあった

今は少し卒業

ほかの曲を聞いても、何か違うなと落ち着かない

でもこの曲を聞くと、声を聞くと

恐怖と悲鳴で溢れていた脳内が浄化される

ほかの曲も聞くがこの曲は最後の切り札だ

これでダメなら寝るのを諦める

しかしダメだった事は今の所ない

すぐ眠気が襲ってくる

病院に行かせてもらえず、薬もなかった時にもお世話になったアーティストだ

きっと僕の脳内を麻痺させる何かがあるんだろう

視界がボヤけ、目を閉じると力が抜けて眠気に襲われいつしか眠りについている


確かに薬は病気を治すのに大事なものだ

でもそれ以上に僕は音楽が心を癒して脳内を正常に、そして元気にしてくれる

常に音楽とは一緒にいる

大切なものだ

これがないと不安になるくらいには

今日も眠れない

いつもの子守唄を聞こう

そして緩やかに

ねむりにつこうかな


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