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いまでこそ誤字脱字蒐集家として名高いわたしですが

その一方、誤読にかけてはプロ級であると自負しております。その多くは誤読というよりも勘違い、思い込み、オッチョコチョイの類なのですが…過去お間抜け全開の誤りを第三者に指摘され、なんど赤っ恥をかいたことか…

しかし以前勤めていた六本木のアウシュビッツの牢名主からも「いいか早川、コピーは汗をかき、恥をかき、足で書いて上手くなるんだよ」と自らのパワハラを肯定するかの如く名言があったぐらいなので、恥なんてぜんぜんへいちゃら。

そこで子供の頃からの誤読&勘違い事案をいくつか紹介しましょう。

【汚職事件】
ずっと「お食事券」だと思いこんでいました。わたしがまだOfficial髭男dismでなく、髪の毛もサラッサラのフッサフサだった、肺も肝臓もピッカピカの頃。よくテレビのニュースで流れてきた言葉。年代的に見ておそらくロッキード事件、ダグラス・グラマン事件の頃です。子供心に児玉誉士夫や小佐野賢治がお食事券くれないから田中角栄が怒ったんだ、と思い込んでいました。どんな人間にもかわいい時期はあるものですね。

【BIG1】
ずっと「BIGI」だと思いこんでいました。ブランドの。メンズビギとかの。違う。ビッグワン。あの、世界の王貞治選手につけられた冠だったんです。その昔、やたら少年の野球帽とか、ジャンパーとかに「BIG1」って入ってて。当時「BIGI」って流行ってたブランドだったし。なので勝手に「これメンズビギのスポーツラインなんだね」とか思い込んでいたものです。ひどい話です。

【RALLIART】
ずっとハンセンの必殺技だと思っていました。ウエスタン・ラリアット。違う。ラリーアートはワークスチームとしてモータースポーツに参戦していた三菱自動車の子会社。一時期やたらパジェロのスペアタイアカバーがこれだったもので「パジェロユーザーはハンセンファンが多い、というマーケティングが成立しているんだね」とかタバコをくゆらせつつ彼女にしたり顔で解説をしたものです。ひどい話です。

【原文ママ】
ずっと元の文章を書くお母さんがいるんだと思っていました。新聞記事とかでよく見る犯人の昔の日記とか、なんかこう切羽つまった遺書とか、そういう文書を引用すると、必ず文中に「原文ママ」ってあるじゃないですか。俺あれマジで「原文はママが書いたものである」の略だと思いこんでいたからね。しかもそれ結構最近までそうだったもんね。あ、最近といっても30年ぐらい前になるのか。

歳をとると恥を晒すことなどなんでもなくなりますし、30年ぐらい前のことが昨日のように思えますね。

BGMはRed Hot Chili Peppersの『Can't Stop』でした。

(おしまい)

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