【笑い声が異常にうるさいお客さんについて】

さて、たまに芸人間、またはお笑いファンの間で話題になるテーマ。

マナーが悪いお客さん、、ではなく。

今回は非常にセンシティブなテーマですね。

【異常な笑い声で、他の人が笑ってない箇所で笑うお客さんについて】


これ、たまにあるんですよ。


まあ、くだけた言い方で芸人(てか僕の意見)がよく言う感じで結論を言うと。


「まあ、希望としては、やりにくいからこんといてほしいけど、来たら来たでしゃーないよね〜笑」である。


で、お客さんからも聞いたことあるんですよね。

「あの人の隣、めっちゃイヤなんですよね。異常な笑い声で、しかも、変なところで笑うから。悪気ないから仕方ないけど」

上記のセリフを言ってるお客さんは、短気という感じでもなく、普通の優しそうな人でした。


もっと過激派は「もう、うっとうしいから来るなよなあ。腹立つわあ」みたいな感じで言ってたりもします。

芸人もお客さんも。


ただ、どんな問題もそうだが、感情論だけで話を進めると良くない。


この問題が特にセンシティブなのは、お笑いというものの特殊性も影響していると思う。

マナー違反かどうか、だけを議論できるなら、まだ議論の難易度は低い。

映画館での鑑賞態度のこれは是が非か?

みたいなテーマなら、まだ話しやすい。


基本的に「喋ってはダメ」「前の椅子蹴るな」「音の出る食べ物食うな」「光が強いスマホは出すな。そもそも電源きっとけ」


と、まあ、わかりやすい。


お笑いは、基本的に上記と同じなのだが。。。
たったひとつの追加ルールがややこしくしている。

つまり。

【笑って良い】というルールである。


まあ、もうひとつあるとすれば「出演者が話しかけた場合は答えても良い」ぐらいである。


※細かい設定は、もっとあるし、寄席なのか、単独ライブなのか、芸人のスタイルや最初の説明があるかどうか、など分析しだせばキリがないので、今回はできるだけ簡単にお話しをしていこうと思う。


当たり前だが、一番大切なポイントはこれ。

【基本的に笑い方の指定はできない】


そりゃ、そうなのである。
僕は、冗談で「笑え!」と客席に毒吐くことはあるが、ガチな話として、笑い方の指定はできない。

笑い方の指定をしたいなら、お金を払って笑い屋さんを呼ぶしかない。

お客さんは面白いと思った箇所で、それぞれの笑い声で笑うのである。

なので、最初の結論に戻り、再掲する。


「まあ、希望としては、やりにくいからこんといてほしいけど、来たら来たでしゃーないよね〜笑」である。


上岡龍太郎さんが昔、テレビで「僕は異常に笑う客は腹立つから、普通に注意する。お前ら、そないおもろくもないのに笑うなと」と発言してて、とても僕には真似できないと思った笑


さて!ここからいよいよ核心に触れていきます。

昔、僕の単独ライブに来てたお客さんで、一人、“そういう個性”のお客さんがいた。くれぐれも人を特定させるつもりもないので、細かい特徴は言わない。

とにかく“そういう個性”のお客さんである笑。

やっぱりちょっとやりにくいんですよ(笑)。全部が台無しになるレベルではない。

しかし、フリの部分の変なところでゲラゲラ笑われたら、次のホントに笑ってほしいところで、他のお客さんまで笑わなくなったりするのである。


でも、まあ、前述のとおり、しゃーねーな、ぐらいのもんである。


これは、「なんでやろ。今日はウケへんな」が起こりうるのと同じように、仕方ないかなと思っている。

ただ、【これはハッキリマナー違反】と思った出来事は起きた。


ボケの詳細は伏せるが、「そんなん、聞かされてもどうしようもないやんけ」とツッコミをお客さんが心の中で思うようなフレーズを言った時のこと。

上記の書き方で分かりにくいかもしれないので、その現場での実際のボケではないけど、たとえぱ、僕が次のように言ったとします。


「今から!!ウンチの話を二時間しまーす」


いや、さすがにここまでくだらないことは言わないけどね笑。

分かりやすくするために。


で、僕の頭の中の台本では。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「今から!!ウンチの話を二時間しまーす」

お客さん「シーン(または少数の苦笑い)」

そこで、僕が何か言っていく。。。(さすがに、聞きたくないですよね、では、この話題なら?みたいな感じetc)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


こうなるはずだったんです。

ところが、そのお客さんがしでかしたマナー違反は。。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「今から!!ウンチの話を二時間しまーす」


「イェーイ!!」←こいつ💢


僕「…💢」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


イェーイに関しては、“喋ってる”からアウトでしょう。

イェーイって他の人も言うような流れなら、まだしも。。


こいつのせいで、かどうかは、想像に任せますが、そのあとネタの反応、悪かったです。ええ。

まだしも、下記の流れなら許せるんです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「今から!!ウンチの話を二時間しまーす」


一人だけ「ワハハハ!!!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この場合は、僕が、まさか笑う人がいるとは、と想定できてなかった可能性もあるんですね。

やりにくいのはやりにくいけど(笑)。


というわけで、センシティブなんですよ。ホントに。


来たら来たで、仕方ない。
でも来ないでほしい(笑)。

みたいなことを考えながら、当日を迎えるしかないんです。


ただ、お客さんに関して、この文章を読んで「わたしは大丈夫だろうか」と思う必要は“多分”ないです。

めっちゃ笑い声でかい人、基本的に大歓迎なんです。なんならありがたい。
僕の芸人生活でも、上記の“個性の人”に遭遇したのは、ほんの数人です。

で、そういう人は、周りの空気感でわかります笑。

だから“あなた”は大丈夫です。


かく言う僕も、笑い声に特徴があるらしく。

舞台に出てた芸人から「中西が笑ってくれてるから良かった」などと言われたことがあります。

これは、これで僕は「ホントはイヤなんじゃないか?」と気になったので、芸人のネタを後ろで観る時は、ちょっと抑えめにしようと、思うようになりました。

いや、オモロい時は、笑ってまうんやけど。

なので、上記の個性の人が、もう一つの個性として、“なんとなく空気を感じる能力”を持ってくれてたり、あるいは“誰かから指摘されたりして、なおしてくれたらいいんですが。


【マナー違反とまではいかないので、誰も注意できない】

てなわけで、結論はずっといっしょなんです。

心の中で「来てほしくないけど、まあ、仕方ない」と思うだけなんです。

僕の場合は、工夫として、寄席に出没するのは諦めます(笑)。

単独ライブは、めっちゃ準備してからやるのに、不安を抱えたくないので、さりげなーく冷たい態度をとるなどして、【出来れば来ませんように】と神に祈ります。


ただ、偶発的な“事故”みたいなもんなので、誰も悪くないし、誰も責めてはいけないということを強調しておきます。


偶発的な事故であることをとてもよく表現している童話を考えたので、それを披露して終わりましょう。


【口が肛門の形をしたアナル家族が私たちのラーメン屋に】


むかしむかし、とても味の評判の良いラーメン屋さんがありました。

いつも行列が出来ており、儲かっていました。

そう!アナル家族が来るまでは。

口が肛門の形をしたその家族は、四人家族で、ラーメンをブリブリと音を立ててすすります。

口の構造上、どうしてもブリブリという音がします。

チャーシューを食べる時は、ガラスのギィーってなる音みたいなのが、聞こえるような口の構造をしています。

本人たちは悪気がなく、いい人たちばかりです。

「美味しかったです。ありがとうございました」と、どんぶりを上のほうに、きちんとカウンターの上に置いて、四人は帰るのでした。


しかし、アナル家族の出現により、ラーメン屋さんから、お客さんが一人減り、二人減り、行列はなくなっていきました。

優しいラーメン屋さんは、文句を言うにも言えず、どんどんガリガリになっていきました。

しかし、「これでは、店が潰れてしまう」と思ったラーメン屋さんは、アナル家族に言いました。


「すいません。あの。口の形で仕方ないのかもそれませんが、もう来ないでもらえます?」


アナル家族は、さめざめと泣きはじめました。

アナルパパは「大好きなラーメン屋さんに迷惑をかけていたなんて」と泣きました。

アナルママは「そう言えば私たちがスタンプカードを作った時イヤそうな顔をしていたわ」とさめざめと泣きました。

アナル女子高生のマキは「わたしは、勉強ができても、ラーメンも普通に食べれないのだわ」と自分の髪の毛をハサミで切って食べ始めました。

アナル坊やは、まだ五歳ですが、「今、まさに、物心がついた!ウエーン」と泣き始めました。


アナル家族があまりにも泣くものだから、ラーメン屋さんは、こう言いました。

「あなたたちのような口の構造をしていても、音が出ずに、美味しく食べられるようなラーメンを開発します!」


アナル家族はラーメン屋さんの優しさに泣いて喜びました。


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