『Bハナブサへようこそ』

【ネタバラシはありません。】

『Bハナブサへようこそ』

著者:内山純

出版社:東京創元社

発行年:2014年10月17日

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 第24回鮎川哲也賞受賞作。『B(ビリヤード)ハナブサへようこそ』と読みます。帯には〈新・≪黒後家蜘蛛の会≫、誕生〉と書かれています。創元推理文庫を読む際、〈世界推理短編傑作集〉〈ブラウン神父〉〈黒後家蜘蛛の会〉のシリーズははずせないと個人的に思っています。(あ、〈サム・ホーソーンの事件簿〉も!)そういう思いがあるので、本書は黒後家蜘蛛の会をどういう感じにアレンジしたのだろうかと、読む前から楽しみでした。連作短編集で4編が収録されています。推理談義をする舞台がビリヤード店ということで、なかなかしゃれています。そこに持ち込まれる数々の謎、それをわいわい推理談義をする常連たち、そしてビリヤードが事件とうまく結びついて明らかになる真相……、よくできています。ビリヤードとミステリの相性がこんなにも良いなんて知りませんでした。また、ビリヤード用語に詳しくない私でも分かりやすい説明が随所にあり、それを読むのが全く苦ではありませんでした。

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