『ルポ 中年童貞』

『ルポ 中年童貞』

著者:中村淳彦

出版社:幻冬舎 (幻冬舎新書)

発行年:2015年1月30日

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 タイトル通り、ルポとして読みました。裏表紙に書いてある〈性交渉未経験の男性がこの20年間、増え続けている。いまや30歳以上未婚男性の4人に1人が童貞だ。〉という文章を読んで、どう感じるかは各々違うとは思いますが、個人的にはなかなかにショッキングでした。(だから積ん読にあったんだなあと何とも言えない気持ちになりました。)さて、その〈4人に1人〉の根拠ですが、国立社会保障人口問題研究所が2010年に実施した「第14回出生動向基本調査」のデータをもとに計算した人数だということです。気になってホームページを検索すると、出ました。出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)です。5年前に第15回が実施されています。結果の概要と報告書も読んでみました。→【 http://www.ipss.go.jp/site-ad/index_Japanese/shussho-index.html 】こういうジャンルの本を読まないと、こういう資料にはたどり着けないなあ、本書を読んで良かったなあと思います。また、本書でインタビューされている彼らの言動・主張を読んでいると、分岐点によっては自分も「そうなっていたかもしれない」世界線が絶対あったことに何ともいえない感情が渦巻いたので、そっと本を閉じ、気分転換として散歩することにしました。この流れで『男子の貞操――僕らの性は、僕らが語る』(橋爪真吾/ちくま新書/2014年)も近いうちに読もうと思います。

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