『天使の歌声』
【ネタバラシは多分ありません。】
『天使の歌声』
著者:北川歩実
出版社:東京創元社(創元推理文庫)
発行年:2007年7月27日
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探偵・嶺原克哉が出会った6つの事件が収録されている短編集です。脅迫まがいのことをされていた研究者が探偵に依頼をする「警告」、妻の不審な行動から過去の記憶が蘇ってくる「白髪の罠」、息子の腎臓移植のために実夫を探す「絆の向こう側」、一年前の娘の事故死の真相を探る「父親の気持ち」、学習塾のトラブルと講師の失踪を扱う「隠れた構図」、言語能力を持たない弟をめぐってある悲劇が起こる「天使の歌声」。どの短編も〈家族〉が深く関係していて、血とか絆とか親子とか夫婦について考えさせられました。
個人的ベストは、推理の応酬が一番スリリングだった「父親の気持ち」です。真相がどう転ぶのかハラハラしながら読みました。帯に書いてある〈多重どんでん返しが炸裂する、鬼才のトリッキーなミステリ!〉に偽りなしです。
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