『ただ、それだけでよかったんです』

『ただ、それだけでよかったんです』

著者:松村涼哉

出版社:KADOKAWA(電撃文庫)

発行年:2016年2月10日

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 第22回電撃小説大賞受賞作。確か発売当初、ツイッターのタイムライン上で、本書は面白いからみんな読んだ方が良いというツイートを見て、興味をもって買ったと思います。それから5年が経ちました。本の整理をしているときに本書を目にしたので、このタイミングしかない! と思い3回目の緊急事態宣言が出た日に読みました。読み終えた後、買ったときにすぐ読んどけば良かった……と軽く地団太を踏みました。本書は、いわゆるライトノベルの皮を被った本格的な学園ミステリです。読みやすいですけど、なかなかに深いテーマが根底にあって、誰の言葉を信じればよいのか途中から分からなくなります。また、本書の肝は学校に「あるシステム」を導入している点に尽きます。それによって、謎が謎を呼ぶ展開で思わず一気読みをしてしまいました。私はそういう学校に通いたくはないなあ。そして印象的なタイトル。その意味が分かったときの感情といったら……。ツイッターの情報がなかったら、確実に本書を見落としていたので、読むことができた自分はラッキーだなと思いました。

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