見出し画像

『長弓戯画 うさ・かめ事件簿』

【 ネタバラシはありません 】

『長弓戯画 うさ・かめ事件簿』

著者:滝田務雄
出版社:東京創元社
発行年:2010年6月30日

------------------------------------------------------------------------------------
(内容紹介)
 雑踏のなか、和弓で射殺された男性。誰が、どうしてそんな目立つ凶器で殺人を行ったのか? しかも、日本有数の弓の名手でもなければ犯行が困難な状況で……。美男子なれどヘナチョコな少女漫画家マーチ宇佐輝先生と、ドSの編集者カメちゃんこと小亀ミドリは心ならずも事件に巻き込まれる。次々現れる新事実、その度に繰り返される推理の構築と否定。どこまで行っても五里霧中、謎多き和弓殺人事件の真相は?
------------------------------------------------------------------------------------
 久しぶりに読みました。著者の「田舎の刑事」シリーズが好みであれば、本書もまた好物なはず、です。漫画家と編集者の掛け合いが、まさに滝田節でした。彼ら含む多くの登場人物たちのドタバタに伏線を巧妙に忍ばせるのですから、本当に油断ならないです。そして、なんといっても「和弓」が凶器という目新しさ。

 それもいわゆる衆人環視のなかでの殺人というシチュエーション。これは何という大風呂敷を広げたものか。それだけで、おなかいっぱいです。定期的に事件のおさらいをして推理を組み立てては壊していく流れも個人的に好きです。
 また、続編がありそうな感じで終わっていたのですが、まだ刊行されていませんね……。勝手に待っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?