『ミニマリストという生き方』

『ミニマリストという生き方』

著者:辰巳渚

出版社:宝島社

発行年:2016年2月26日

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 【ミニマリストとは】①モノは自分にほんとうに必要な最小限にすること、②大事なモノのためにそれ以外を減らすことを「ミニマリズム」とし、そうする人のことを「ミニマリスト」と呼ぶ /『ぼくたちに、もうモノは必要ない』(佐々木典士、ワニブックス)

 現在、私はいらないものを少しずつ捨てたり売ったりしています。社会人になり一人暮らしを始めた頃、アメリカ的生活(映画とかドラマとかゲームでしかアメリカの家を見たことがありませんが、家のなかにモノがすごい溢れていて生活感丸出しの状態)、もしくは本の虫の生活(部屋に本が溢れていて積読タワーがたくさんあり生活感があまりない状態。例:はやみねかおるさんの代表的な名探偵、夢水清志郎が住んでいる洋館のような状態)に憧れていて、その価値観をもとに行動してきました。好きなだけ本を買いライブグッズを買い……そうこうしているうちに、まあまあな量のモノを所持しているようになりました。しかし、ここ1、2年で婚約や引っ越しなどの契機が重なり「荷物が多い」「今の生活の仕方は何か違うかも」という思いが徐々に強くなり、特にコロナ禍で家で過ごす時間が多くなった影響で、あまりモノをもたないようにしようとする意識が強くなってきました。そういう精神状態のなか、本棚の奥に眠っていた本書に出会いました。いつ買ったのか思い出せません。おそらく断捨離とかミニマリストがメディアで取り上げられブームになった頃に、書店で見かけて興味をもって買ったのではないかと思います。過去の自分に感謝しつつ、読むことにしました。さて、本書はどうやってモノを捨てるのか等の片づけ方法は載っておりません。対象はそれを実践する「人」です。まず最初に著者が取材した5組の家のなかの写真がカラーで載っていました。どこもスッキリしている……。なかには生活感がない部屋もあって、すごいと思いました。そして各々のインタビューを読みました。どうしてミニマリストになったのか/ミニマリストのような暮らしをしているのか、人それぞれの動機と心情があって興味深かったです。著者曰く「ミニマリストは、モノを減らすことを通して、人生に漕ぎ出す準備をしている人」で、「ミニマリストになるのは、人生に向き合うため」、そして「ミニマリズムは、片づけの見かけをとったマインドフルネスである」と定義づけました。彼らのインタビュー・著者の考えを通して、その定義に妙に納得してしまいました。私も、人生に向き合っている。

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