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『浅見光彦と七人の探偵たち』

【 ネタバラシはありません 】

『浅見光彦と七人の探偵たち』

著者:内田康夫 他
出版社:論創社
発行年:2018年1月30日

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(内容紹介)
 東京都北区主催の〈北区 内田康夫ミステリー文学賞〉受賞作家七人によるアンソロジー。七人の探偵が遭遇した七つの難事件に加え、浅見光彦が不可解なダイイングメッセージの謎に挑む内田康夫による短編も収録!
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〇「星降る夜、アルル」織江耕太郎
  新聞会社の閑職に追いやられた「私」の一人称スタイルで進む素人探偵スタイルは、私の好み。主人公の哀愁が程よくてこれまた個人的に好み。昔と今を対比させている物語進行も比較的好み。あの人のあの発言は、アレかと思いきやソレだったときの一撃も好み……。1編目から当たりでした。織江さんの他の作品も読んでみます。
〇「満ち足りた終焉」井上凛
 終活とミステリの相性って良いのかもしれない……と思いました。
〇「ホタル探偵の京都はみだし事件簿~境界鳥~」山木美里
 今までの2編とはまた違った文体だったので、これぞアンソロジーの醍醐味! と思いました。軽快な文章、軽妙な会話、そしてキレのある推理。
〇「徘徊探偵 ギター男の憂鬱(ブルース)」岩間光介
 おじさんと連続放火魔の話です。放火魔になっていく人の視点があり、何だか新鮮でした。そして、やるせない。
〇「家庭狂師~名探偵 郁子さん①~」高橋正樹
 誰が家庭教師を殺したのか? 怪獣と安楽椅子探偵が出てきます。シンプルですが伏線がしっかりしていて良かったです。
〇「ブラインド探偵・曲げない決意」米田京
 ある男の決意がすごい。目が見えない探偵の推理が冴えていました。 
〇「梅雨に降る生徒たち」立木十八
 学園ものです。ここにきて「日常の謎」系の短編がきて、何かほっこりしました。連続階段転落事件の真相……なるほどね!
〇「地下鉄の鏡」内田康夫
 浅見光彦もの。転落した女性は自殺か他殺か? を確かめるために遠方地まで赴くフットワークの軽さよ。

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