『自分のデータは自分で使う マイビッグデータの衝撃』

『自分のデータは自分で使う マイビッグデータの衝撃』

著者:酒井崇匡

出版社:星海社 (星海社新書)

発行年:2015年7月23日

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 博報堂生活総合研究所の研究員の方による、〈新時代のデータ活用論〉。5年前に発売された新書です。それから5年経ったわけですが、その間も技術革新やら何やらで多分めまぐるしく変化していっている……はずです。(私が知らないだけ。)例えば、本書に登場する「ウェアラブル端末」ですが、最近テレビでみた「Apple Watch Series 6、登場 — もうできるよ」というCMを思い出しました。

 https://www.youtube.com/watch?v=U90_RsrBy44)

 これを初めて見たとき、語彙力乏しく「すごい!」と叫ぶしかありませんでした。そもそも、スマートウォッチという響き自体がかっこいい。〈体に取り込まれた酸素のレベルの確認も、睡眠の追跡も、心拍数の測定もできる。〉という触れ込み……。うへえ、一応平成生まれの身ですが、気づいたらこんなにも進歩しているとは。刺激的です。

 また、インターネットの進化による情報爆発――この用語初めて知りました―—の変遷が、とても興味深い内容でした。B to C (企業対個人)→C to C(個人対個人)→Me to Me(自己対話)という時代の流れに整理できるそうです。自分の身に置き換えて、確かにそうだなあと妙に納得してしまいました。その「自己対話」から発展させて、著者がその道のプロにお話を伺うわけですが、その選び方が独特でやられました。心療内科医や寺院の御住職はまだわかります。でも、〈山伏の指導者〉は私の発想には全くありませんでした! 脱帽です!

 第6章の〈未来予測キーワード 生まれる新たな価値観・ライフスタイル〉も興味深かったです。「ストレスが溜まると、やたらと焼き肉を食べたくなる」理由(p.183)や、クロスモーダル(感覚間相互作用)(p.211)という用語を初めて知ることができて良かったです。

 これからはミーハー根性を発揮させて、テクノロジーの進化に置いてきぼりにならないようにしよう、と読み終えたあと強く思いました。

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