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『滑らかな虹』

【 ネタバラシはありません 】

『滑らかな虹』(上)(下)

著者:十市社
出版社:東京創元社
発行年:2017年8月31日

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(内容紹介)
 柿埼先生に、手紙を書こうと思う――中学三年になる春、山坂百音は、かつて通っていた小学校の元教員・田児あやめに伝えた。そして百音は、三年半前に起きたできごとについて、五年三組の担任教師だった柿埼に向けて思い出を綴ってゆく。すべては、彼の謎めいた提案から始まったのだ。
「どうでしょう。今年一年、このクラスのみんなでゲームをしませんか?」
『ニンテイ』と名づけられた、柿埼の考案した奇妙なゲームが、子どもの未来を大きく左右する事を、このときは誰も予想していなかった――
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 本書は上下巻ありますが、思わず一気読みしてしまいました。

 著者は、「とおちの やしろ」と読みます。私は人の名前を覚えるのが苦手なので、半年先に、この名前なんて読む? と聞かれたら、ちゃんと読むことができるか自信がありません。がんばりたいです。それで、最初に書いた通り、本書は上下巻あるのですが、先が気になってしまい一気読みしてしまいました。久しぶりに物語の世界に没入できたような気がします。めちゃくちゃ派手な殺人事件や奇抜な登場人物などは出てこないのですが、先の展開が読めず、これが最後どうなっていくのだろう……と静かに興奮しながら読み進めていきました。それもこれも、十市社さんの高い筆力によるものが大きいな、と。本書の核となるのは、先生が提案したとあるゲームです。これは……ありそうでなかった設定かもしれません。(あったらすみません。)私だったら、こういう能力を使いたいかなと、本筋から離れた想像までしてしまいました。

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