『悪女の品格』

【※ネタバラシはありません】

『悪女の品格』

著者:辻堂ゆめ

出版社:東京創元社

発行年:2017年7月28日

--------------------------------------------------------

 次世代を担う新鋭たちのレーベル《ミステリ・フロンティア》。一番好きなレーベルです。いつ見ても、青い背表紙がクールです。以下、帯に書いてあるあらすじです。

 三人の恋人を器用に転がし、贅沢な生活を送るめぐみ。しかし危険な罠を次々と仕掛けられ、過去の罪を告発する手紙が届く―—。

 まず、三股している女性の視点で物語が進むのが斬新。お金が目当てだとはいえ、三人の男と付き合う労力がすごい。うまく立ち回らないと露見してしまうリスクも大いにあります。こういう世間的に許されない事象を、ミステリにうまく結びつけている著者の手腕に脱帽しました。そして、現在と過去がいったりきたりして、展開が読めなくてスリリングでした。今にして思えば読んでいるときに若干のひっかかりがあったので、もっともっと考えれば謎が解けたはず……。これは負け惜しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?