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思いがけず届く利他について。

こんにちは。バンクーバーからあしざわのりこです。
ヘッダーの写真は、うちの前に咲いた春を告げるスノウドロップのお花です。

Egoistic Altruism?
Genuine Altruism?

利己的利他?それとも真の利他?

「思いがけず利他」
中島岳志著

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今年最初に読んだ本です。
素晴らしい本でたくさんの気づきにあふれていました。

自分の気持ちの整理の為にここで皆さんにシェアさせていただいてもいいですか?ブックレビューも含みます。

コロナ禍以降ふと自分の中で「他者への貢献」という価値が大きくなっていくのに気がつきました。

ただ、利他というと胡散臭さや押し付けがましさとセットになることも多く
(人の為と書いて偽りというくらいですからね😅)
具体的に何ができるだろうと思い始めると、なかなか難しい。

そんな中、白山ウォルドルフコミュニティと出会いました。ここでの体験は初めてづくし。私に何かできることがあるならば!と全力投球。
私自身たくさんの学びの中で関わらせていただけて幸せを感じています。

ふと一年経って自分を振り返った時に、私たちの活動は、果たして誰かの為になっているのかな、更には私自身はこのチームの中で何かの役に立ててるのかな、と感じて出会った本です。

著者は言います
利他は自分ではコントロールできない。

よーし、世の中の為に生きるぞ!と意気込んで、届くものではないのです。
受け手が感じてはじめて利他が発生する。
受け手は過去から「あのおかげでこうなったなあ、ありがたいなあ」と利他を受け取り、送り手は未来の思いがけない偶然性の中で知らず知らずに感謝される。
誰も見ていないところでひっそりと、利他的行為が成就される。

なんと気の長い行為なんでしょう。本当の利他って。

子育ての中で、ついつい口にしがちな”あなたの為なのよ”という言葉は、時に押し付けがましく、負債感を植え付ける強い言葉なんだと改めて感じたわけです。利己的利他だなあ、と。

私の経験から言うと、”あなたの為よ”と言うアドバイスは子どもたちに一切届きませんでした。ただの一度も、ええ。(笑)

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白山のメンバーとはミーティングの始まりに必ず教育者の詩を朗読します。

それはこんな出だしです。
”心に留めておきましょう。私たちは、子どもたちと共に霊的な世界(大いなる世界)の中で仕事を続けているということを。
私たちは、困難な時代に命を紡ぐ若い魂のために道を整え、手助けをするものであることを。”

困難な時代、というところで毎回胸がチクっとします。
分断や争いや、いろんな困難な時代に生きていく子どもたちの為に、道を整えて、手助けをするって一体どういうことでしょう。

そこには偶然性が大きく関わってくると著者は言います。
利他とは偶然に思いがけずやってしまうものであって、意図的なものではない。自分はなんとも思っていなかったのに、随分経ってから感謝されたり役に立ったりする。
私も、数々の偶然によって、シュタイナー教育と出会い、仲間と出会い、目に見えない大きな力によって未来から振り返ると導かれている感覚があります。100年以上前の人々からの叡智を受け取っているだけでもすごいことですよね。彼らは、そんなこと意図してなかったはずです。

そう考えると、今私たちがやっていることが将来何に繋がっていくかわからない。
私たちの行動が他者にどんな影響を与えるかもわからない。
人に喜ばれるかも、もしかしたら逆に傷つけるかもしれない。
全ては受け手が決めることを想像するのは難しいのです。
ならば、私たちは謙虚に目の前に起こるいろんな偶然を精一杯生きていくことしかできないのかもしれないな、と。

回り回って、結局は自分と向き合って、自己成長し続けて、その思いがけずやってくる必然とも言える偶然を心で受け止める器になることが大事なんだと気づきました。

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こんなことを思い出しました。
40年以上も前に、母が台所で人参を2センチほど残してとってあるのを、私はゴミだと思って捨てようとしました。
『まだ使えるんやけん捨てんで』という母に内心、もうーせこいなー😫なんて思っていたのですがその人参は次の日のお弁当の彩りに使われていました。

何十年も経って、自分がお弁当を作るようになった時に同じようにほんの少しの人参を取り置きする自分を発見した時にちょっと笑っちゃったんです。

こういうことが利他的行為を受け取った瞬間なんだろうなと思うんです。
そして、私はそのことを母にお礼を特にいうわけでもなくひっそりと心で感謝しているんです。

さて、白山ウォルドルフコミュニティで3月にはとっても素敵なワークショップが開催されます。
いろんな偶然が重なり、角口さかえ先生とのつながりに結びつき、二日間に渡る学びの機会が生まれました。
この出会いが種となって広がってどんなふうに変化するのか、誰にもわかりませんが、今ここにある楽しい時間を共に楽しみませんか?

何十年も立ってから、あの時出会ったのが最初だったよねえーなんて懐かしむ未来があるかもしれないし、あの時参加したライゲンの体験で、保育士人生が変わったという未来もあるかもしれないし(ないかもしれない。笑)。

私たちは純粋にこのイベントを楽しもうということを感じながら準備しています!

イベントリンク
https://hakusan-waldorf.org/%e5%ad%90%e8%82%b2%e3%81%a6%e6%95%99%e8%82%b2%e8%ac%9b%e5%ba%a7/

白山ウォルドルフコミュニティサイト
https://hakusan-waldorf.org/top/%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/

#思いがけず利他#中島岳志#利己と利他
#ブックレビュー#白山ウォルドルフコミュニティ#シュタイナー教育


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