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父の育児 オンライン・ライブトークより

1月に始まった、オンライン・ライブトークでは、『父の育児』というテーマで、日本の北、北海道のいずみの学校からゲストスピーカーとして米永先生が、そして、北米の北、カナダ・バンクーバーからは育児に奮闘中の日本人お父さんたちがパネリストとして参加してくれました。

ライブトークから数週間経ちましたが、米永先生とお父さんたちの愛のこもった話が今もじわりと胸に残っています。

そして、私自身、母親になってから20年たった今、今回お父さんたちの想いを聞いて、いろんな反省しております。

今回参加してくれた米永先生もパパたちも、とても真摯に親業を考えていました。親なので父親として親業を真剣に考えていくことは、当然と言えば当然のことなのですが、日本では、そう言ったことが当然じゃなかった時代が長くあり、働くお父さんは遅くまで残業があったり、週末も勤務があったり、時には単身赴任などで父親不在の中、育児はどうしてもお母さんが主、そして時間がある時にお父さんが子供のことをよくわかっているだろう母親を横で”サポート”をするという構造が主流になっているというのは否めないですね。

こんな質問があるお父さんから事前質問としてありました。

『子供が産まれてすぐに親として自覚が持てて行動出来る人は少ないと思います。特に、父親は妊娠、出産、授乳の経験が無く、その時期はとにかくだれに聞いても奥さんの"サポート"をしろ言われる。

この"サポート"という言葉男親にとってくせものです。

実際一言でまとめるとこの一言に尽きる。その事は理解できる。できるが、特に日本だと自分達の母親が来たり、もっと言えば実家で出産しその後何ヶ月か実家で過ごして帰ってくるという事もよくある話だと思います。

ならサポートさえしていればいい。

あとは母親がメインで子育てをし父親は"サポート"と言う構造ができるような気がしますこれは母親の中でもあり得る気がします。

子育てに関しては私がやるからあなたはその都度"サポート"してほしい。
など。

でも直接子育てに関わりその子の成長を実感し共に悩んだり喜んだりしたいお父さんもいっぱいいます。父親も早く親として母親、子供と一緒に成長したいそう思う人もたくさんいると思います。

そしてその時期の過ごし方で家族のかたちはかなり違ってくると思うのですが、その点についてアドバイスが有れば聞いてみたいです。』

このお父さんたちが育児をサポートではなくしっかりと関わりたいという思いに、米永先生の父親としての体験談が答えてくれました。

米永先生:
子育ては母親との共同作業でした。家事も分担。そして、子育てについて二人でどんな人間に育って欲しいかコミュニケーションをとってきた。

そうなんです。バンクーバーではこの概念が当然のように父親、母親にあります。なので、バンクーバーのシュタイナー学校に関わる親の姿として、母親だけでなく父親も積極的に関わっています。
実際、『イクメン』という言葉があるのは日本だけなんですね。英語にはないんです。父親が育児に関わることはサポーターではなく当然のことなのですから。

ここは、日本のお母さんたちも意識を変えないといけないところですね。

実際、私自身がそうでした。
娘たちが小さい頃、『子供の面倒は私がやるから、あなたは私のサポートしてくれればいい。』と、考えていました。夫も、何の疑問も持たず、そうしていました。先日、この質問を彼に投げかけたら、今も、サポートでいいと思っているようです。
こういったあり方が二人の中で心地がよければ間違いではないのですが、もう一歩踏み込んだところが次の点でした。

今回、米永先生のこの言葉が突き刺さりました。

『子供を取り巻く環境を大切に考えています。
自分たち親がどういう環境であるのかが子供たちの成長や学びに大きく影響します。
例えば、共感を大切にするなら、わたしたちがそれを本当に大切にする。』

母親と父親がいかに相手を思いやり、役割分担をしながらもお互いがお互いを支え合うようなあり方=being

大人として子どもの前で偉そうな言葉をたくさん並べるより、人として、どう取り組んでいるかを見せていくことが一番の教育です。

育児に完璧というものはないので後悔はないものの、反省するならばこの点にあります。少なくとも、これが今の私がこれから育児をする立場にあれば、こんなことを大切にしたいと強く思いました。

その他、私の中に残るお父さんたちの言葉をいくつか紹介します。

お父さんA『奥さんが言ってくる意味のわからないことへの理解、すり合わせがチャレンジだと感じています。』

ーーーお父さんたちのご苦労がこんなところにあるんですね。苦笑

お父さんB『父の影響があるとするならば、父の楽しそうな姿。父は豪快な人だった。まず自分が楽しむことを優先すると子供もフォローするのかなあと思います。』

ーーーまさに!それ!!

米永先生『行為を見せることの大切さとして、ウテ・クレーマーさんのお話しが心に残っています。例えば、いつも帰宅が遅いお父さん。リボンをベッドに毎晩結んで、寝た後に会いに来たことを示す合図で、子どもと起きた時間に会えない時も、そう言う形で思いを伝えることができた。子どもが大きくなるまでずっとやり続けたそうです。これは意志の教育でもあります。』

ーーーお父さんが不在でもできる工夫ってこんなことがあったのだあ〜。


そして、あるお父さんがライブトークの最後の一言としてこんなことを言っていました。

『育児休暇を男性も一緒にとること。自分はとって本当に良かったと思う。』

男性だけでなく女性でさえも育児休暇がまだまだ取りにくい日本ですが、もっと気軽に取れるような社会になって欲しいですね。

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さて、2月13日(日本時間)に次のライブトークがあります。
ゲストとして「わかやまシュタイナー学園」より石田寿文先生をお迎えします。
テーマ:『クリエイティブである/想像的である』を探る

お楽しみに〜。

ライブトークは、録画、録音なしの一期一会の時間です。
お気軽に覗いてみてください。

たくさんの方の参加お待ちしております。




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