2019年映画ベスト10+α(アニメ多め)

毎年ツイッターでサラッと済ませてる今年観た新作映画のベスト10だけど、せっかくまとまった文章を書く場所を持っているので、今回はここで何故その映画が好きなのかといった部分にも軽く触れつつ発表していこうと思う。

ちなみに自分は本来的にはゲーム・アニメオタクなので今年観た劇場作品もアニメーション作品が多めだ。映画ファンなら観ていて当然みたいな作品をわりとスルーしているのでその辺はご留意ください。

それではさっそく第10位からいってみよー!

第10位 アベンジャーズ/エンドゲーム

MCUの約半分くらいを履修した上で観に行ってめちゃくちゃ楽しんだわけだけど、やっぱり「自分は最前列にいる客じゃないな」という想いがあってこの順位。ツイストを効かせたプロットで予想を裏切り続けながら巡り巡って誰もが望んでいた場所に着地するあたり本当に見事でした。

第9位 映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて

傑作キュアモフルンをつくり上げた田中裕太監督が新境地を見せてくれた。エモーショナルかつ道徳的なメッセージも織り込みながら、「将来どんな存在になるか」や「再会の有無」など、あらゆる可能性が断定されることなく“開かれている”結末も、子どもたちに未来に広がる無限の可能性を示すべきプリキュアに相応しいものだったと思いました。

第8位 ガールズ&パンツァー 最終章 第2話

2回戦の対戦相手が明かされてからの面白さはちょっと尋常ならざるものだった。その中で、ずっと応援してきて誰もが強い思い入れを持っているはずの大洗側から、「打倒大洗」側へと着実に感情移入先が切り替わるよう仕向けられた(かに思える)脚本に今後への期待も膨らむ。これが思い過ごしでなければ、最後に我々はいったい誰を応援しているのだろう?

第7位 きみと、波にのれたら

湯浅政明監督の劇場作品でいちばん好き。湯浅節とでも言うべきビビッドな演出はここぞという場面まで抑えつつ、主演声優陣の演技が多幸感に満ちていた前半、喪失を経て、「誰もが誰かのヒーローになり得る」というテーマが物語の推進力になる後半、そして全てが結実するクライマックスと、胸がときめく瞬間が散りばめられた傑作でした。

第6位 アメリカン・アニマルズ

若さゆえのたった1度の過ちで人生を台無しにしてしまった大馬鹿野郎どもの実話。しかも本人たちが出演していて非常にスリリング。何度も「ここでやめていれば……」な瞬間が訪れながらも最悪の選択をし続けてしまう少年たち。証言の食い違いからもよく分かる犯罪計画の杜撰さ。理想と現実のギャップをここまで切実に描いた作品もあまりないのでは。

第5話 HiGH&LOW THE WORST

己の信念のために拳を振るう男たちの意地と意地のぶつかり合い。そしてそんな日々を過ぎ、意地だけで突っ走ることのできない新たな世界へと旅立って行く者たち。ラストで轟が村山じゃなく楓士雄たちと一緒に居たのも良いよね……キャラクターたちの感情を紡ぐストーリーとアクションの両輪がシリーズ史上最高に噛み合ってました。真っ直ぐにされてたまるかー!!!

第4位 スパイダーマン:スパイダーバース

文句なしに最高のアニメーション映画。未曾有の映像体験にお手本のようなストーリー展開。凄まじい情報量の映像が続く中、単一のトーンでクールにまとめられたマイルス・モラレスの覚醒シーンにまたグッと来る。吹替版もキャスティングは完璧だったんじゃないかと。グウェンとペニーだったらグウェン派。

第3位 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -

たくさんの人々の“想い”を“言葉”にして紡いできたヴァイオレット、彼女の綴った言葉が込められた“手紙”を必要としている人のもとに届けてきたベネディクト。本作はそんな人々の“日常”によって救われたある姉妹の物語でした。そして本作が一点の曇りもない清らかな物語だったことは、僕にとっても掛け替えのない救いとなったのです。

第2位 この世界の(さらにいくつもの)片隅に

数日前に観たばかりで冷静な比較は難しいのだけど、どう考えてもこれより下の順位にはならないでしょ……という凄まじい作品。すずさんと白木リンさんの関係が掘り下げられることで、「戦争のある日常」がより多角的に描かれながらも、それによって戦争映画には括れない普遍性もさらに増していて感嘆。168分という長さを全く感じさせない濃密な鑑賞体験でした。

第1位 ミスター・ガラス

日頃のツイートを読んでくださっている方ならご存知かと思いますが、やはり今年いちばん僕の心に深々と刺さった映画は本作以外あり得ません。倫理観すら超越した強い信念の物語。それが許され、そして誰かが一歩を踏み出すきっかけにすらなるフィクションの懐の深さ。上手い作品よりも、豪華な作品よりも、感動と共にたくさんの感慨を与えてくれたこの映画が、第1位です。

ベスト10は以上! ここからはおまけです。
10位以下の作品にも一応順位は付けているんだけど、それとは関係なく心に残った作品をさらに10本紹介していきます。

ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow:お仕事での関わりがなければもしかしたら観ていなかったかもしれない。でもだからこそ真剣に向き合った結果、大好きになれた作品の完結編。μ'sとは異なる結末もここまでの道のりを思うと感慨深いものがありました。

ドラえもん のび太の月面探査記:想像力は現実を変える力を持っている……そんな、創作に心を奪われた者にとって大いなる希望と言えるメッセージが、SF的ギミックでロジカルに物語に組み込まれた快作でした。

KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-Ⅳ ルヰ×シン×Unknown:観客を楽しませ、笑顔にさせるために進化を続けてきたアニメ作品の3DCGによるライブシーン。そして応援上映。それらが持つ可能性を正負それぞれの方向へ極大まで振り切ったような11話・12話の振れ幅に恐れ慄きました。

蒼穹のファフナー THE BEYOND:ここまでファフナーに付き合ってきた者ならば興奮せずにはいられない新展開。圧巻の戦闘描写と一筋縄ではいかない話運び。仕方ないとはいえ◯◯◯の総士くんにも相変わらず当たりが強い真矢ちゃんになんだか頬がほころびます。

海獣の子供:序盤の坂道を駆け下りるシーンで「とんでもない映画がはじまった」ことが理解でき、そこからは映像の濁流に飲まれるような不思議な鑑賞体験でした。中盤、意識が朦朧としてきてしまったのでリベンジしたい。

天気の子:次点の第11位でした。普遍性よりも「いまを生きる人たちのため」の物語を紡ぐことを選んだ新海誠監督。次回作が楽しみです。

劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer:つくり手としての矜持を込めた迷いなき大暴投に呆れながらも感動してしまう、あらゆるメディアを含めても2019年屈指の奇作・怪作だったのではないでしょうか。

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション:原作を全く知らずに観に行ったのだけど、軽薄さ、くだらなさを2019年に全力でやり切るため考え抜かれた、「知能指数の高いお馬鹿プロット」に感激。観たあとはとてもハッピーな気持ちになれた大好きな映画です。

フラグタイム:遥ちゃんの声優さんの演技すごく良かったですよね!? 彼女、宮本侑芽さんって言いまして、彼女の初々しい演技が存分に堪能できるアニメがあるんですよ。『アイカツスターズ!』って言うんですけど……

劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター:あらゆる場面でスクリーンから放たれるみなぎる生命力に圧倒されました。事故に近いものとはいえ人を殺害してもケロっとしてるベルリくんに好感。

2019年は素敵な映画にたくさん出会えました。2020年は「これを観るために生き長らえてきた」と言って過言ではない作品のひとつである『劇場版SHIROBAKO』が上映されるのでベスト映画は本作に決定してるんですが、ほかにもワクワクする作品にたくさんたくさん出会えると良いですね。
最後にベスト10を改めて列挙。

第1位 ミスター・ガラス
第2位 この世界の(さらにいくつもの)片隅に
第3位 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -
第4位 スパイダーマン:スパイダーバース
第5位 HiGH&LOW THE WORST
第6位 アメリカン・アニマルズ
第7位 きみと、波にのれたら
第8位 ガールズ&パンツァー 最終章 第2話
第9位 映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて
第10位 アベンジャーズ/エンドゲーム


それでは、よいお年を!

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