【会長ブログ】第一部:一新会がうまれたきっかけ
2018年4月。中央大学公認の同窓会として、「白門一新会」が設立されました。中央大学を2000年度以降に卒業した方を主な対象としています。会員相互の交流と学習の場を提供することを通して、それぞれが成長し、社会を一新するような活躍をすることを目指して、「白門一新会」と名付けました。会の理念として、「ダイバーシティ」「生涯学習」「行動する同窓会」の3本柱を掲げ、多様な業種、多様な価値観を持ったメンバーが集まっています。設立から約半年が立ち、現在会員数は約150名となり、毎月会員相互の交流を目的としたイベントを開催しています。まだまだ試行錯誤しているところです。今回はこの白門一新会を設立するに至った経緯を紹介しようと思います。
◆先輩の一言
実は、はじめから同窓会を作ろうと思っていたわけではありませんでした。
就職が近づいた頃、私は社会人として働いている先輩方に意識的にお会いするようにしていました。その際に、先輩方は口々と「学生の頃はよかった、大学生に戻りたい」というので悲しくなってしまったのです。ボランティアやNPO法人。スポーツに留学。大きな夢や目標を語っていたかっこいい先輩方が、社会人になるとこうも様変わりしてしまうのかと衝撃を受けました。
◆2つの仮説
どうしてそうなってしまうのだろうか。自分なりに考える中で、2つの仮説が浮かびました。1つは、会社と家庭の往復の日々の中で、閉塞的な人間関係で完結してしまっていることです。人は、多様な人々と交流する中で多様な価値観と出会い、刺激をうけたりたまには衝突したりしながら、自分の価値観を広げ、深め、成長していくものだと思います。学生時代、留学や旅行・ボランティアなどの機会に、いつもとは違う人々と交流することを通して成長する人が多いのはそれが理由だと思います。それが、社会人となり会社と家庭の往復のみで時間が過ぎていってしまっている人は、いつものメンバーと会うだけになってしまいます。成長のきっかけがないばかりか、その会社や家庭だけのルールがまるですべてであるかのような錯覚に陥ってしまい、非常に偏った考え方になってしまう可能性もあります。そうした中で、向上心や好奇心を失い、学生時代に思い描いていた夢や目標を見失ってしまうのかもしれないと思ったのです。
2つ目の仮説は、学ぶ意欲を失ってしまうことです。目の前の業務に追われる中で、明日の仕事に直結する知識をつけることばかりを優先してしまい、中長期で必要な知識や教養、語学や資格などのスキルを身に着けるために学ぶことを後回しにしてしまっているのかもしれません。その結果として、将来グローバルに活躍したいと思っていたとしても、将来起業して社会にインパクトを与えたいと思っていたとしても、語学力の鍛錬や、起業に必要な素養を身に着けることを後回しに、目の前の業務ばかりを追いかけているうちに、いつまでたっても目標に踏み出すことができなくなってしまうのかもしれません。
◆同窓会設立の打診
そんなことを考えていた卒業直前、たまたま大学側から2018年卒の同窓会設立の打診がありました。それまで同窓会について何も考えていなかったのですが、これをきっかけに同窓会の存在意義や可能性について考えるようになりました。
◆同窓会の存在意義とは
私は、同窓会には大きな可能性があると感じています。そしてそれは、冒頭で仮説として示した、社会人が抱える2つの課題を解決する可能性があると思っています。
まず、同窓会には多様な人々が集います。業界や職種、年次や地域など様々なバックグランドを持ち、これまでの経験も価値観も様々です。同窓会に参加することで、多様な人々と交流する機会を得られるのです。
また、同窓会は多様な人材が揃う結果として、多様な分野の専門家がメンバーにいる可能性もありますし、なにより大学とのコネクションがあるため、図書館などの研究施設を利用できたり、大学教授などのセミナーを受講できたりと、学びの機会を得ることもできるのです。
◆個人で頑張ることもできるが、、、
もちろん、多様な価値観を持った人々に会ったり、中長期の成長を見据えて学んだりすることは、個人的な活動でも必ずしもできないことではないでしょう。ですが、家庭と職場の往復の中で、目の前の業務に追われるだけの生活をすることが主流の世の中において、個人の努力でやり遂げることは心理的にも物理的にも非常に苦しく、限界があると思います。
これは私の実体験なのですが、あるIT企業の方にお会いしたいと思い、共通の友人に紹介を頼んだことがありました。ですが、その方は友人に対して「この人、人材会社の営業マンだよね?要するに営業したいってこと?」と警戒感と不快感を露わにしたとのことでした。学生だった数か月前までは、大学生というだけでたいだいの人には会うことができたのに、厳しい現実をつきつけられました。そんな中で、同じ大学を卒業しているということは、個人差はあるとは思いますが、不思議な親近感を与え、それだけで会うことができてしまうのです。出会いのハードルが圧倒的に低いことも同窓会の良いところです。
中長期的な成長を見据えた学習も、個人的に行うと、教材費やセミナーなどに通うとコストがかさみますし、ついつい目の前の業務の忙しさに心理的にも負けてしまいがちです。一緒に学ぶ仲間がいることはとても大切なことだと感じています。
こうした同窓会の可能性に気づいた私は、白門一新会の設立を決意したのでした。
では具体的にどのような活動を予定しているのか?これについては、また次回。白門一新会の理念に沿いながらお話しできたらと思います。
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