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(中編)外出自粛の今、M-1グランプリ2019決勝を冷静になって見返してみた

M-1グランプリ2019決勝から数ヶ月経った今、冷静な状態で見返してみた感想と、当時の熱い気持ちとを織り交ぜた何かを、ドリームマッチ2020の興奮冷めやらぬまま綴る記事です。

そういえば、三連単予想で敗者復活組への投票がダントツで多かったのがなんだか悔しかった思い出。ストレート組の期待値もうちょっとあげてくれよ、という。今思えば別にあんなのなんてことないけど。

前編はこちら。

前編は3組で終わった、まじやばい。「中編」という強硬手段をとる。ここでファーストラウンド全て書き抜きたい。あと7組、やばい。足早にいきます。

レッツゴ。ヒィア。

鳴り物入りの袴男、でっかい英文字から登場の巻

かまいたち、和牛と続いてすゑひろがりず。笑御籤とやらも随分空気を読めるもんだな。

大宮の小さい劇場で幾度も見てきた彼らの、せり上がりとMからの力強い登場。胸が熱くなった。今でも思い出しては、あの大きな背中に励まされている。当日は細かい部分になにも気づいてなかったけれど、南條さんは出囃子にあわせて鼓叩いたり、ハケながら鼓叩いたりしていたんだね。

あのネタはショートコント集にも見られかねないかなと思ったけれど、そんな心配をよそに思い切りウケた。丁寧で分かりやすい漫才。ネタの乗せ方がいい。語感と伝わりやすさが追求された、古語と現代語が入り混じったようなワードもいい。礼二さんも「単純に1番おもしろいんちゃうかな」って。

イロモノらしい風貌だけど、このスタイルを分かっていても単純に笑える、ただただ面白いネタが他にもたくさんあるから、今後も心強いコンビ。

縁あって中学生の時、野村萬斎さんの狂言を鑑賞させて頂いた私から申し上げると、みなみのしま時代に比べて、三島さんの狂言風喋りは格段に上手になった。
アナザーストーリーでは南條さんのバイト姿が1番心にグサグサきたので、面白さが世間にバレて芸人だけで食べていけるようになったのが何より嬉しい。

そしてM-1が終わり、気付けばYouTubeも当たり、ファンが急増して人気コンビになっていた。少し前の大宮セブン推しメン投票ではコンビ合わせて4票。
新しいファンの方は、彼らがパクりたい-1グランプリに出たことを知っているのだろうか。

ニューヨークは敗退時の表情とコメントもさすがだった。YouTube見てるよ。まぁすゑひろがりずのゲーム実況の方が面白いかな。とか言うてますけども。

このシリーズが一番好き。絶対に架空トーナメントもあわせて見てください。絶対に。

言わずと知れた大人気シリーズ。これのおかげで南條さんはR-1で最終決戦に進めたらしい(諸説あり)あと南條さんは今ファンの間でイケメンキャラらしい(諸説あり)

時のしおり 〜人生これから〜

ネタ前のVTRでそれぞれの特徴が一言で言い表わされる。伊織「「「ゴツイ」」」青空「「「整った顔」」」だった。どないやねん。

青空くんはいつ見ても達者。大阪35期。決勝当時25歳。末恐ろしい。
最近の自分の好みを分析すると、コント漫才はその類ではないんだけど、彼らの漫才はボケそのものも、ツッコミのワードもすごく好き。「ファンタスティックばい」めちゃくちゃ好き。最後の捲し上げ爆発力は和牛以上だったかも。でもボケそのものもツッコミのワードも、まだまだ面白くなる。末恐ろしい。

松本さん、1ネタ見ただけで彼らが本調子じゃないって分かるのはさすがだったな。巨人さんは調子良かったって言っていたけれど。確かに予選で見た時とは確実に違う空気感で、観ていてドキドキした。

何はともあれ素晴らしい漫才師。若手の星。山内さんも次にM-1くる若手でいつも名前を出していたし、この芸歴で優勝候補とまで言われていたからし蓮根。私もむちゃくちゃ期待してるコンビです。楽しみ。伊織さんの真似してM-1の出囃子をアラームにしたくなりました。

ネタ終わりの伊織さん「緊張という名の緊張を.....」は意味わからな過ぎて面白かったので裏MVPです。すえひろがりずの敗退コメントも最高!縁起!ポポン!

俺を曝け出したら目の前の奴が笑ってんだ

準決勝をライブビューイングで見ていた感想ですけれど、見取り図も決勝進出は少し意外だった。結果は点数も伸びて昨年から大きくステップアップ。素人の意見なんて所詮そんなもん。

紹介Vでモリシの過去写真が出ると会場の爆笑が聞こえる。ある種、最速の掴み。
しかもネタの導入で第一印象の話。「不快の塊ですから」と。そこの事前説明ができた形だったので、より笑えたのかもしれない。

ところどころマイクが声をしっかり拾えていなかったようには感じたけど、ズボンの裾と手癖は私は気にならなかったし、むしろ魅力的な個性だと思う。大道芸人の綿棒(MEN-BOU)さんも、き行を話す時だけお尻をつねる癖がキャッチーだと取り沙汰され、世界で活躍するまでになった。

しかもこの2人は"人"で笑いを取れるから強い。モリシなんて喋ってるだけでなぜか笑ってしまう。リリーさんの淡々とした口調とのコントラストもいい。そして選んだのは"人"にスポットライトを当てたネタ。2人の良さが引き出された。川西の「イイネ!」もそうだけど、彼らの人となりが知られれば知られるほど面白いネタなんだろう。とにかく、見取り図が多くの番組からオファーをもらう理由はよく分かる。

デビュー当時から可愛がってもらい、背中を追いかけてきたかまいたち、和牛と並んで暫定ボックスに座ったあの瞬間、2人はどんな気持ちだったのだろうか。

いや、大道芸人・綿棒(MEN-BOU)さんって誰ー?!

見取り図のyoutubeはとりあえず好きなことやりますってスタンスがいいよね。

これを見ていると次の瞬間まあ不思議。貴方の目の前には1本の缶ビール。そしてタブにかかる自分の指。5秒後にはプハーッと声が出てきます。気をつけてね。

いや、き行って何ー?!

皆さん、「○○って何ー?!」をやる場合はもう少しナチュラルに入れましょうね。

先生、笑いの神様って本当にいるんですか?

紹介Vで内海さんが自分の角刈りを撫でるシーンが良い。

予選でもトップでウケていたし、ハマったらズドーンといくだろうとは思っていたけれど、どちらに転ぶかなくらいの考えだった。決勝進出が決まって1番嬉しかったのがミルクだったな。27期代で1番売れるのかもな。そんなことを考えていた。

想像を、遥かに越えた。笑いの神が、降りた。

内容は今さら言うこともないけど、得点が出た時にまたボロボロと泣いた。興奮と感動と嫉妬と。いや駒場と内海半端ないって!アイツら半端ないって!審査員全員揃いも揃って高得点叩き出させるもん!そんなん出来ひんやん、普通!そんなんできる!?言っといてやできるんやったら.......

2本目も同じ形だからかまいたち優勝なのでは、という考え方も分かるし、当時は私もそう思ったけれど、改めて見てみると、これだけパンチの効いた大爆発大爆笑の漫才。歴代最高得点。そりゃあ文句なしで優勝だよな。おめでとうだよな。夢みたいだよな。ありがとうだよな。

君が目を細め、そっと眼鏡を外したから

あの点数が出た後のオズワルド。しかし飲み込まれずに、少しづつではあるが自分たちのペースにしっかりと引き込んでいった。スマートで、器用。
M-1後に周りでM-1観た人に感想を聞くと、オズワルドが1番好きだったって人が多かった。ちなみに全員、関東圏の男性だった。

予選でも評判良かった。準決勝を終えて映画館から駅に向かっていると、後ろを歩く東京よしもとの若手らしき方達が「オズワルドさんあれ絶対いったっしょ!いったっしょ!すげえ!すげえよ!」って興奮気味に話していたのをよく覚えています。青春だ。

得点発表後、眼鏡を外して準備を整える伊藤さん。ミルクボーイ最終決戦進出に話題がうつり、そっと眼鏡を戻す伊藤さん。大丈夫。チャンスはまだある。一連の流れが終わり、彼は満を辞して細稲垣を発動した。じんわりした笑いだった。

後日談によると、伊藤さんは囲碁将棋・文田さんから賞レースの舞台でのアドバイスを貰っていたとのこと。それを実践してみたところ、今年は予選を勝ち上がることができたそう。文田、優勝。

十二月二十二日は細稲垣記念日。

走れ!進め!駆け抜けろ!あんたは強い!

"インディアンスと書いてトップ出番と読む"と聞いていたので、9番は遅く感じた。今ではすっかりおなじみの、きむさんの昔の写真。見取り図の時みたいに会場がウケている。を超えてもはやザワザワしていた。

このネタは劇場で何度も見たはずなのに、ネタを飛ばしたことに気が付かなかった。「今月2回、結婚式」で変な間があったときは、リアルタイムでも一瞬やばいかも!と焦ったけれど、どうやらそこではないらしい。
山内さんもインディアンスを推していたし、私も優勝に近いコンビと思っていた。

やっぱりM-1なんて簡単に予想できるものではないようだ。正直当時彼らの点数が出た時は、かまいたちが2本目を披露できる喜びで、私はどこか遠くへ飛んでいった。ようやく、ようやくだったから。インディアンスとぺこぱが残っているのは本当に脅威だったから。でも改めて見ると、審査員の講評を聞いく田渕さんの顔が切なくて、切なかった。なんだか愛おしさすらあった。

M-1後に彼らの漫才を追っていると、変化しようとしていることがよく分かる。これから人間臭さがもっともっと、出てくるんじゃないかな。またあの舞台で彼らの漫才を見られる日が楽しみで仕方ありません。

最終決戦、決定的ーーー!

フォんとうにフォてもフォもしろかった。紹介Vでボケとツッコミを表記されてしまったことに関してはフィまでもフォこってます。

せり上がる。相方が隣で長台詞を喋る。コントインする。そのシュウペイさんの表情がずっと、ずっといい。彼の表情が漫才の面白さを倍増させている。確実に。

「知識は水だ」がとてもいい。ただ客席の反応はほとんどない。悪くないだろう。

とにかく、2人は楽しそうだ。これ以上ないくらいに楽しそうだ。傷つける傷付けないとか、平和だとか暴力だとか、そんな話ではない。面白い。もうずっと面白い。頭振ったナスがいちいち「どうもありがとう」って万物に感謝してる。意味わからん。おもろい。

印象的だったのは点数発表時の顔つき。トリで、あの雰囲気で、あの和牛の点数を超えなくてはならないのにだ。堂々としている。私は高得点続出に「すごい!」と感動していたけれど、彼らはそんな次元にはいなかった。次のステージしか見ていない目だった。あとは単純に、ぺこぱのネタが面白いってこと、自分たちが一番よくわかってるんだろうな。

これは完全に余談なんですけど、シュウペイは高校時代、強豪サッカー部に所属しており、現在もプロとして超第一線で活躍中の小林悠選手と太田宏介選手と同期でした。悪くないだろう。

3000字チャレンジ失敗のお知らせ

さて、今回も3000字を信じられないほどオーバーしました。とりあえず私が邪念を排除した上で1本目面白いと思った上位3組が最終決戦に進みました。見る目ありました。次は最終決戦と全体的なお話をして終わらせてやりたいと思います。

さあみんな、できるだけ家にいような!疫病退散!ポポン!

続きはこちら。


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