スローニュースの必要性

京アニの一連の事件で、実名報道がなされる。
遺族の方々は実名報道反対の署名活動をしていたし、京アニ自体も実名報道は控えてほしいという姿勢だった。にもかかわらず、提出予定日の前日に公開される始末。


「スローニュース」 ジャーナリズムの必要性

日本のメディアの1番の特徴である「速攻性」。最新ニュースの公開速度、アクセス数に伴う収益などは、どれも「速攻性」によるものではないか。そのおかげで昨今では、緊急地震速報でいち早く揺れに対して身構えができるようになった。一方で、「フェイクニュース」という言葉が生まれたように、目の前の情報の信憑性を図る能力が個人に求められるようになった。

そもそも、どうして我々はニュースにふれる必要があるのだろうか。義務ではないため、別に今回の京アニの件について知らなくても生きることは可能である。しかし、私達はこのような事件から学び、未来にどう教訓を活かすかを考え、行動しなければいけない。少しでも自分たちの暮らす環境がいい方向へ。考えるだけの批評家だけに止まってはいけないのである。

では、今のメディアは我々の背中を押すようなプラットフォームになっているだろうか。本来であれば、メディア側はもっとユーザに議論させる話題をたくさん持っている(例えば、高齢者の自動車免許返納について、地方創生、幼保大学無償化、などなど挙げたら切りがない程)。国民が本当に知るべき歴史や政治の動きをわかりやすく説明するのがメディアの役目である。池上彰さんだけでは正直足りないし、池上さんだけの見方だけで終わってしまう!!!

現在、ネットニュースで見るような情報だけでは、ユーザに対して与える知があまりにも表面的で少ない。淡白な議論で終わってしまう。NewsPicksも議論のプラットフォームとしては凄い良い場なのに、1つのコメントからなかなか議論や新しい人との繋がりができないのが残念だなと思う。


ジャーナリストたちが丹念に調査報道する動きを「スローニュース」という。日本では6月にスマートニュースの子会社として文字通り「スローニュース」が設立された。

スローニュースは、既存のメディアのような広告収入がしにくい反面、調査に莫大なお金がかかることから資金の運用が要となる。まだ具体的な運用方法が公開されていないみたいであるが、スマートニュースの子会社ということが大きなアドバンテージとなるのではないか。

すでにメディアからの情報がトップダウンでなくなった今、私達は今まで以上に議論すべきであると考える。少なくとも自分は、日常会話の話題で終わるのでなく、アクションプランにまで落とし込め、議論し、行動に移す。

正直今回のこの一連の事件や報道には、たくさん考えさせられ、興味を掻き立てられた。自分はアニメをあまり観ないけれど、

・事件の残虐さは、何を背景に起こったのか(犯人の心理的背景)
・自分はかつて Covered aggression の加害者・被害者どちらでもあったこと

に大きく関心を抱いた。

当初はこの記事も「自分がかつて Covered aggression の加害者・被害者どちらでもあったこと」について、今までの曖昧で不快なモヤモヤがあったから書こうと思っていた。だけれど、その前提には「スローニュース」ジャーナリズムもあったから、結果これだけでまあまあ1つの文章になってしまった。つまりこの記事は本題の序章でしかないことになる。

本題については、またこの次に。
(といいつつ、いつも書かないで終わるから今度こそ書くぞ!)