【MtG】カスレアキューブ解説(v1.41現在)
諸姉諸兄はキューブドラフトを遊んだことはあるだろうか? (基本的に)ハイランダーのカードプールからランダムに擬似的なパックを生成して、ドラフトを遊ぶ遊び方である、有名どころだとMOで行われるヴィンテージキューブやパウパーキューブがあるし、彩色キューブ等アリーナでキューブを触った人もいるだろう。
私も自前のキューブを作りたいと思って、2年ほど前から『カスレアキューブ』というキューブを作り、定期的にドラフトを開催し遊んでいる。今回はこの私のキューブについての解説記事になる。
カスレアキューブとは?
安いレアカードはしばしば「カスレア」と呼ばれるが、本当に彼らはカスだろうか? あくまで構築で実績を残していないだけで、レアカードであるからには皆リミテッドで初手級の性能はあるのではないだろうかと思い、そういった陽の光の当たらないカードばかりを集めて活躍させたいと考え、カスレアだけを集めたキューブを作った。
カスレアの定義は基本的に以下の通り。
・調整月の最低価格が50円未満(wisdom guild調べ)
・レアor神話レアで収録されたことがある(特種セットやスペシャルゲスト枠は除く)
厳密な話をすると、あまりに土地の値段の変動が激しすぎて土地はまとめて平均価格が50円を切っていればいいこととした。でないとキューブのマナ基盤が破綻してしまうので……
プレイ感としては、初手(1-1)から目移りするカードが多く、エキサイティングなドラフト体験ができる。また対戦も、派手なカードが飛び交い、思わぬシナジーがものすごい効果を発揮したりすることもある激しいものとなる。総じて普段のドラフトでは体験できない、大味なリミテッドが楽しめる。
リスト
内訳は以下の通り(CubeCobraは固有色で色が分かれているので微妙に内訳が異なっている)。
単色カード……各76枚
2色カード……各7枚
3色カード……各1枚
5色カード……1枚
無色カード……49枚
土地カード……45枚
アーキタイプ
白単
アンセム擁する白は王道の横並びビートダウンがメインの戦術。《今田家の猟犬、勇丸》のような優秀な小粒クリーチャーから1,2,3と展開していくのが基本になる。《栄光の頌歌》《ベナリアの軍司令》といったアンセム系のカードが多数あり、純粋に頭数を増やす戦術が強力である。加えて、装備品をサポートするカードもあり、継戦能力や戦線突破能力も備えている。
青単
青単は基本的にはおすすめしないアーキタイプである。部族サポートで組むことが難しいので、ビートダウンは困難である。ただ、組めれば妨害が難しく強力なアーキタイプとしてライブラリーアウトが存在する。《水没した秘密》《正気減らし》《悠長な再構築》などを用意してからカウンターで守っていく動きは強固である。
黒単
黒は単色で組むなら部族としてゾンビのサポートがある。《死の男爵》《墓地を刈り取るもの》といったロードに加え、《ワイト》のような優秀なクリーチャーにゾンビが多く、《真夜中の死神》《カストーディのリッチ》で継戦能力もある。ゾンビ・トークンを出すカードも少なくない。また、除去を取りやすい色なので、殴りに行く道を開けやすいのも利点。
赤単
いわゆる普通の赤単。火力カードにレアが少ないため、バーンよりビートダウン寄りになる。部族としてゴブリンをサポートしており、《ランドヴェルトの大群率い》《ホブゴブリンの山賊の頭》などのロードと《パシャリク・モンス》《包囲攻撃の司令官》などで押し込んでいく。また、高マナ域では《栄光をもたらすもの》のような重量級のドラゴンがフィニッシャーとして控えている。
緑単
ランプで組むのが基本になる。部族サポートとして《葉冠の幻想家》などのロードが用意されたエルフがあるが、フィニッシャーとして何かしらのデカブツを用意するのが基本になるだろう。マナエルフから《トヴォラーの猟匠》や《岩山鎧のベイロス》といった対処しにくいクリーチャーや、《サンドワームの収斂》といった強力なエンチャントに早期にたどり着くのがメインの勝ち筋になる。
青白
組めるアーキタイプは2つ。基本的には、《浄化の輝き》といったラスで戦場を流し、脅威には《提督の命令》のようなカウンターで対処し、最終的に《ドビン・バーン》のようなプレインズウォーカーで勝利する、いわゆる青白コントロールを組むことになると思う。
そうでない場合は《聖トラフトの霊》のようなカードから入ったとき。白のアンセムや《上流階級の霊》などでスピリットを強化していく、青白スピリットが組めないこともない。他の部族ほどは濃いデッキが組めないが、回避能力のあるビートダウンは希少なので、挑戦する価値はある。
青黒
基本的にはこちらもコントロールの色。ただ、勝ち筋としてリアニメイトやLOが存在するのが青白と比較した際の強み。確定全体除去が《命運の核心》1種類のみというのが不安定だが、単体除去の質・量ともに高いのが白との違いになる。《永遠神の投入》のようなカードが取れたら入っていきたい。
赤黒
強力なビートダウンのカラー。全体的にカードのマナ効率が良く、相手の大振りなカードを除去で捌き、テンポを取って早急に殴り切るのが戦術になる。赤単と違い、リソース勝負になっても黒のライフロスと引き換えにドローするカードなどで土俵に上がれる。
赤緑
がっぷり四つのクリーチャー戦を仕掛けるカラー。緑のランプから赤のドラゴンを投げつけることが基本戦術になる。3〜4マナ域のクリーチャー・カードが強めなのもあり、小粒なビートダウンをシャットアウトする力もある。
緑白
クリーチャーを横に並べて全体強化する、白の延長のアーキタイプ。《不屈の随員》といった除去に強いカード、《国王ダリアン48世》といった追加のアンセムなど、n枚目がこの多色枠に多くある。
白黒
器用貧乏カラー。優秀な除去をベースにミッドレンジでアドバンテージ勝負に出るのが基本になる。強いて言うならリアニメイトカードはこのカラーにまとまっている。
赤青
メインとなるのはスペル(インスタント・ソーサリー)軸。《イゼット副長、ラル》や実質無条件で相棒となる《呪文追い、ルーツリー》などを駆使して、空中戦を仕掛けていく。サブのプランとしてアーティファクトシナジーがあるカードが赤・青に多少あり、《刻まれた勇者》のような無色のアーティファクトを取ったときのリターンが見込みやすい色の組み合わせである。
緑黒
攻めの赤緑に対して受けの黒緑。がっぷり四つの勝負をするが、相手を押し切るよりも黒お得意の除去で消耗させて仕留めるのを得意とするミッドレンジ。《魂売り》や《呪われた狩人、ガラク》といった純粋なパワーのあるカードを押し付けていきたい。
赤白
緑白をより前のめりにしたようなアーキタイプ。多色のカードに《軍勢の切先、タージク》や《正義の模範、オレリア》といった即効性のあるビートカードがあるのが大きい。とにかく手早く殴っていると相手は死ぬ。単色の小粒なアタッカーの頭数を集められるかが勝負。
青緑
マナクリから《深海の主、キオーラ》や《ルクサの恵み》につなぎ、莫大なマナから《シミックの空呑み》や巨大なXの《ガチョウの母》を叩きつける、わかりやすいランプのアーキタイプ。パーツが取れないときのサブプランとして《トレストの密偵長、エドリック》や《冷淡なセルキー》のサボタージュ能力によるクロックパーミッションもどきも可能。ただ青のカウンターは全体的に重めなので過信は禁物。
その他
主要アーキタイプは以上のとおり。ただ、自由なフォーマットなので自分のピックしたカードを好きに入れてみるのもいいだろう。多色土地も少なからずプールに入っているので、マナファクトやマナクリーチャーを活かして多色コントロールを組むことも可能だ。また、3色のカードは特に強力なカードが多いので、それらを使うためのデッキを組んでみるのも良い。
おわりに
私はすべて現物でこのキューブを持っているので、機会があればいつでも持参してぜひ読者各位とこのキューブでのドラフト卓を囲みたいと思っている。また、これでない独自のプールのキューブを作ってみるのも素晴らしいことだと思う。
では、楽しいキューブ体験を!
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