陶磁器は世界のクセ
愛知県四大悪党というのを知っているだろうか。名鉄と中日新聞と中部電力と、あとトヨタらしい。名鉄尾張瀬戸駅から愛知県陶磁美術館へ向かう時に乗った、クセの強いタクシーの運転手が教えてくれた。
運転手は四大悪党(主に名鉄とトヨタ)の悪口を20分程続けたあと「オレは皿とかやきものみたいなものも大嫌いなんだ」と言って、私を陶磁美術館の前に降ろした。本人のクセと瀬戸弁が強すぎるせいか、聞いていても気分を害さないクオリティの高い悪口だった。
そんな感じで着いた愛知県陶磁美術館には、日本をはじめアジアや世界各地の良品が揃っていた。全ての器がそうではないけど、器は絵画とは違って実用的であることが多い。世界のいろんな地域や時代のいろんな人々に使われてきたやきものは、それらの場所のクセとも言えるのかもしれない。
やきもの、私は好きです
縄文土器はクセのかたまり
中期のもの
一般的なイメージそのままの弥生土器
皮袋を模した古墳時代の須恵器
嘘みたいなクオリティ
平安時代の瀬戸の皿
カフェで固めのチーズケーキを乗せてそう
鼠志野の魅力は下手な写真じゃ伝わらない
めちゃめちゃ好きだ、、
人間国宝 石黒宗麿の 「射水」
中国 新石器時代のもの
今にも動き出しそう
中国 唐三彩
珍しい青色と動物みたいな足がかわいい
10-11世紀のイランのサリー陶器
フリルレタスのサラダを入れたい
12-13世紀イランのラスター彩
絵付けに使われた酸化金属の鈍くて甘い光がきれい
紀元前5世紀頃のイタリアの双耳壺
虫の足みたいな造形が印象的
ひとつひとつが良すぎてなかなか先へ進めない
この美術館は常設展の展示の量がとても多い。それを知らなかった私は、最初の展示からかなりのエネルギーを使って見ていた。途中で集中力が途切れて少し疲れたなと展示室を見回すと、まだまだ見ていないものや次の展示室を指す看板が目に入る。常設展内は写真撮影ができるので、ばしゃばしゃと水浴びするみたいにスマホで写真を撮っていたから電池の減りも早くて、でもまだまだ展示は続くしで、永遠に見終わらなくて美術館から帰れなくなるような嬉しい恐怖感があった。特別展や常設展内に目当てのものがあるなら先に見ておいた方がいいと思う。
帰りは美術館から歩いてすぐの駅からモノレールに乗った。モノレールはかなり高い位置を走っていくので景色が楽しい。乗り物好きな人はモノレールで行くのがおすすめです。四大悪党の話を聞きたい人は名鉄からタクシーに乗ってください。
モノレールのホームはガラス張り。この日は天気がよくてずっと遠くまで森が広がっていて気持ちよかった。あと人が少なく、何となく終末感を味わえるところも楽しかった。
※アイキャッチ画像は右から常滑、越前、信楽、丹波、備前。
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