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コーディネーター・アラジンのブログ #113 白馬フォーラム(1)

Hakuba High School Forum(1)

12月21日、白馬村のウィング21で、恒例の”白馬フォーラム”を開催しました。白馬高生が学び、取り組んだこの一年の学習成果の発表です。

オープニング

★校歌MV


学校長の挨拶のあと、今年はオープンニングに、校歌を歌いました。ステージ上には、校歌の歌詞とそれにふさわしい映像が流れます。これは、1年生の北アルプス学という授業で全員が作成した校歌のMV(ミュージックビデオ)の中から、選ばれた作品を使いました。

校歌のMVに合わせて校歌斉唱

ブログ#112でも触れたように、校歌の歌詞というとどこの学校でも学校の歴史や伝統、教育理念やモットーなどと合わせて地域や自然への賛歌が入り、山や川などの風景が語られています。それらの風景や抽象的な伝統やモットーなどのイメージのBGMを、歌詞にあわせて素材を探し、動画として完成させるのが北アルプス学の11月頃の課題でした。

動画編集ソフトで画像に歌詞を添えている生徒
歌詞にマッチした写真が選ばれていますね。(作品例)

少なくとも、校歌のMV作成という課題で、1年生は、校歌に親しみ、大きな声で歌えるようになったのは確かです。もちろん、動画編集の技術も身に付いたことでしょう。

★交換留学体験記

オープニングのセレモニーの添えられたもう一つのサプライズ企画がこれです。ブラジルのサンパウロに留学中の白馬高生のHさんと、オンラインで繋いで、会場のみんなに向かって留学中の話題をライブで話してくれました。
Hさんは、白馬に在学中のときから、人気者で、7月のしろうま祭(文化祭)でも目立った活躍をしていました。
一方、Hさんと「交換」留学で、白馬高校で学んでいるブラジルのMさんは、ステージ上で、司会進行役のAさんFさんの質問に、上手な日本語で答えてくれました。

どんな話題だったかというと、

司会者の質問「一番困ったことはなんですか?」
Hさん「ブラジルの人はみんな英語が喋れるんだと思っていたら、ママもパパも英語が喋れなくて、家ではポルトガル語を、学校では英語を勉強しています。最初の頃、これが嫌だとか自分の意見がストレートに言えなくて困りました。」
Mさん「一番困ったことは、日本の寒さです。家から学校に歩いていくのでチョウ寒いです。」
司会 「私たちも寒いです!」(笑)

司会者の質問「今楽しんでいることやはまっていることは?」
Hさん「今ブラジルは2カ月の夏休みなので、海に行ったり、家族でシュハ
   スコというバーベキューをしたりして、楽に過ごしています。」
Mさん「私にとって、日本の人に、ブラジル料理をつくるのは、一番はまっ
   ているです。」
司会 「私たちも実際作ってもらいましたがとってもおいしかったです。M
   さんは料理が上手いです。」

司会者の質問「文化の違いを感じるのはどんな時?」
Hさん 「ブラジルの人はみんなお早うとか挨拶をするとき、キッスをするんです。これが、誰にするのか分からない。仲良くない人ともたまにして、この人仲いいんだとなったり...あと、ご飯を残さず綺麗に食べるのは日本人だけなのかと思いました。ブラジルの人はみんな残してる。」
Mさん「キスする場合は、サンパウロでは皆一回だけ、でもリオデジャネイロだと2回します。右と左に」
「ブラジルではそんなに早くの予定をたてることはないけど、日本では2週間前に約束したりする。」
Hさん「ブラジルの人は一日前だから、結構大変。」

司会者の質問「帰って来たら一番したいことは?」
Hさん「はなまるうどんとか、出汁を感じるところに行きたい。あと、薄い豚バラ肉を食べたい。」
司会「厚いんですか?」
Hさん「こんなん(両手を出して厚さを表現。10センチ以上?)」
司会「是非、一緒にいきたいな。しゃぶ葉!」
Hさん「牛角とかもいいよ!」
Mさん「家族にお土産を渡したい。たくさん、ぬいぐるみを買った。
それと、わたしもブラジルのバーベキューのシュラスコを食べたい」
司会「わたしたちもブラジルに連れて行ってください。」

などです。留学を雲の上のことではなくて身近に感じられてよかったですね。ブラジルと日本の時差が12時間なので、白馬フォーラムが始まった朝9時は、ブラジルでは夜の9時というわけで大きな時差がこの企画のチャンスを与えてくれました。


発表

続いて、成果発表です。

(1)1年就労体験報告

まず1年生徒が10月にやった就労体験の中から、トリマーの仕事と、総合建設業の体験を発表してくれました。

トリマーは北大町のお店で、トリミングの他にペットホテルも運営されていました。仕事は、飼い主さんからワンちゃんを預かり、シャンプー、ブラッシング、ドライヤーを済ませ、飼い主さんにトリミング終了をお知らせして、ワンちゃんをお見送り。その後、床に落ちている毛を集め捨てるというものです。いろんな種類の犬をみることができました。仕事が長時間の立ち仕事だと分かりました。

次に土木建設業の大糸という会社での体験報告です。
はじめに、会場のみんなに、土木の仕事についての印象を問いました。たいていは、「過酷(キツイ)」「汚い」「危ない」「底辺」「やばい」と言った、マイナスのイメージが強いということが分かります。

ところが、実際に、現場の作業を見せてもらったり、測量や重機を動かす体験をさせてもらい、就労体験を終えた後の印象は、「繊細」で「安全」で「かっこよく」、「慎重」で。「いい人」たちばかりという印象に変わったそうです。

(2)2年修学旅行報告「これでいいのだ!修学旅行

2年生は修学旅行の報告をしました。グループ行動を共にしたメンバーで修学旅行の体験報告をホームルーム活動で行い、その中から選ばれたグループが、フォーラムで発表しました。

修学旅行については、現地から写真を送ってもらいブログ#93で既に紹介していましたね。
このグループの発表は、まず松代大本営跡の見学(ブログ#63参照)から始まりました。修学旅行で広島を訪問し、原爆ドームや平和記念資料館を見学したことと、平和学習で繋がっていることに気づかされました。
私は全く別の行事のように捉えてしまっていました。松代に行ったのはこの修学旅行の事前研修だったんですね。なるほど納得です。

京都の自由行動では、このグループは着物レンタルを利用し、着物を着て伏見稲荷大社を訪問し、出会った外国の方にインタビューをするという課題をこなしました。着物姿の高校生4人連れですから、外国の方も喜んでインタビューに答えてくれたようですね。とてもフレンドリーだったと報告しています。

(3)「高校生ホテル実習」から学んだこと

高校生ホテル実習の報告が2本ありました。
ブログ#109で本番前の準備段階を紹介しましたが、今回は栂池高原スキー場そばの2つのホテルで実習したので、それぞれのホテルでの体験報告をしてくれました。

まず、ベルクールイノマタでは、1日目には、チャックイン、夕食準備、食事の提供・片付けの他に茶道体験もしました。大変だと感じたのは、朝早くから夜遅くまで仕事があること。重労働が多いこと。お客様の都合に合わせなければならないこと、言葉遣いや表情に気をつけないといけないことなど。
逆に、やりがいを感じるのはどんな時かというと、
「ありがとう」と感謝の言葉を言ってもらえる時、飾り付けやベッドメイキングで褒めてもらえた時など。

生徒の感想は、下のスライドをご覧ください。

ベルクールイノマタでの感想

次に、ホテル白馬ベルクハウスでは、
フロント係は、お客様のお出迎え⇒受付⇒会計(先払い)⇒お部屋・館内の案内⇒お客様のお見送り 
という一連の仕事をしました。 
食堂係は、テーブルのセッティング、おかずの盛り付け、ドリンクの注文、お料理の配膳、ドリンクの注文、食堂片付け
客室係は、ベッドメイキング・掃除機での清掃・消毒、埃取り、お風呂・トイレの清掃をこなしました。

準備段階でベッドメイキングを教わったときに、「お部屋の準備を確認するのはお客様なので一発勝負だよ。ミスを見つけるのはお客様だから。」と教わり、白馬高校生のおもてなしとして、タオルで白鳥を作ったそうです。

タオルで白鳥を作りました

ホテル白馬ベルグハウスでの気づきは次のスライドをご覧ください。

両ホテルの皆様、大変お世話になりました。

以下、
 (4)デュアルシステム実習報告
 (5)時事問題「さあ、大糸線に乗ろう」
 (6)プロジェクト学習インターアクト部報告
 (番外)糸魚川高校探求の報告
は、次号につづく。