コーディネーター・アラジンのブログ #56 馬は太り、鶏は痩せる
Yukigata
白馬でもようやく田に水が張られ、耕運機が走り、水田を水鏡に山の写真を撮る人の姿がちらほら見られるようになりました。
この時期の山には、真っ白な残雪と黒い岩とで、面白い形が見られます。人物や動物にも見え、「雪形」(ゆきがた)と呼ばれて、昔からそれぞれに名前が付けられています。その姿が現れる時期というのは残雪の量の違いで、農作業をする人々にとって、暦よりも明らかなその年の気候を表しているので、大切な作業の目安にもなっていたのでしょう。。
種をまく頃に現れるので、「種まき爺さん」と呼んだり、代掻きの時期に現れるので「代掻き馬」と呼んだのでしょうか。
ここ白馬では、「代掻き馬」→「代馬」→「白馬」→「ハクバ」というのが定説で、その雪形が山肌に見える山の名を「しろうま岳」「はくば岳」と呼ぶようになったというのです。
これには異論もあって、代掻きの時期に限って言えば、長い期間見える白馬岳の雪形「代掻き馬」よりも、小蓮華岳の「仔馬」の方が、見える時期が短く、代掻きの時期をよく表していて、ほんとうの代掻き馬はこちらではないかという話もあります。
いずれにせよ、山肌の残雪模様に名前をつけて、皆が楽しむ文化というのはなかなかのものではないですか。
そこで疑問が湧きました。「海外でも雪形があるのか?」「英語で雪形は何と翻訳するのだろう?」と。
そこで、またまたChatGPTに聞いてみました。
結局、ChatGPTでは、最後の文にあるように、雪形に名前がついているかどうかは分からないという。ネットでこれぞと思えるものがないかを検索してもなかなか見当たりませんでした。
ヨーロッパアルプスと言えば、白馬高校と交流しているフランスのアンブロワーズ・クロワザ高校の先生に訊いてみましたが、自分は知らないので、山岳ガイドもしている同僚に聞いてみるとのことでした。でも、代掻き馬の雪形が面白かったみたいで、もっと教えてくださいと頼まれました。
また、連絡があれば、このブログでもお伝えします。
白馬から見える雪形は、まだまだあります。
鶏とかカモシカとか呼ばれているのこれです。
これは、白い雪の方を見ます。なので、暖かくなればこの鶏(または、カモシカ)は痩せて行きます。
お分かりになりましたか?
タイトルの「馬は太り、鶏は痩せる」という意味が。
最後に、復習を兼ねて、この写真を見てください。
代掻き馬、仔馬、鶏が分かりますか?
写真中央の2階建てが、白馬高校の男子寮、その右の 松の木で見えないですが屋根が青い3階建ての建物が女子寮です。