見出し画像

コーディネーター・アラジンのブログ #72 リゾートビューふるさと

sightseeing train "Furusato"


リゾートビューふるさと号」をご存知ですか?
長野⇔南小谷の間を走るJR東日本の観光列車です。長野発だと、途中停車駅は、篠ノ井・姥捨・松本・穂高・信濃松川・信濃大町・白馬です。
途中の姥捨では、日本三大車窓※の一つの眼下に広がる長野盆地の眺めが見られるそうです。

日本三大車窓:
・根室本線の狩勝峠越え(現在は廃線「狩勝ぽっぽの道」に転用)
・篠ノ井線の姨捨駅(おばすてえき)
・肥薩線の矢岳越え

運転日は、春から秋の土日、夏は金曜日も。ただし、観光シーズンの8月はさらに多く運転されます。

白馬高校の3年生の「グローバル観光」という授業では、この「ふるさと号」の一部区間を乗車して観光列車がどういうものかを体験し、白馬駅での出迎えや見送りのおもてなしに活かそうと、先日の金曜日、雨の降る2限目から、まず白馬駅まで歩き、そこから、大糸線上り普通列車で穂高駅まで行きました。

白馬駅時刻表

白馬駅の時刻表は、ご覧の通り、寂しいですね。通勤・通学時間帯以外は、2時間に1本程度です。

この本数の少なさが、利用者減に拍車をかける!?
白馬駅。10時23分発の大町行きに乗りました。

白馬駅は有人駅で、すべての列車が停車し、どの車両のドアも開閉しますが、大糸線の多くの駅は無人駅で、先頭の運転手席の横のドアからしか降りれません。

大町駅で30分待ち

乗り込んだ電車は大町止まりですから、ここで松本行に乗り換える必要があります。これがまた、連絡が悪くて、30分待たなくてはなりません。
白馬から穂高までの普通乗車券では、途中下車前途無効ですから、ホームで待つしかありませんね。これが冬場だったら、寒すぎませんか? 冬のダイヤでは待ち時間が異なるのでしょうか? 短距離の切符でも、こうしたローカル線では、列車待ちの時間は駅外へ出られるシステムを考えるべきですね。

大町駅ホームで松本行き列車を30分待つ乗客たち。

穂高駅到着

穂高駅には、12時5分に到着。すでに長野から来た「ふるさと号」が停車していました。ふるさと号は、穂高駅では36分ほどの停車時間があり、乗客は駅近くの穂高神社を参拝することが可能です。私たちも、ふるさと号の発車時間まで昼食を求めてうろうろしました。食堂や蕎麦屋さんはいくつかあるのですが、車内に持ち込んで食べられるテイクアウトの昼食をゲットするのは、なかなか困難でした。JR利用者が少ないせいか、コンビニも、JRからは遠い国道沿いにあり、700mの往復の時間的余裕はありません。観光列車のお客様の側からすると、不便を感じました。穂高駅で駅弁でもあればいいですがね。🍙とかでも。

昼食を求めて、穂高駅前から、穂高神社あたりまで歩きました。
穂高神社の社殿を模した瓦屋根の風情のある穂高駅舎

リゾートビューふるさと号に乗車

いよいよリゾートビューふるさと号に乗り込みました。

「ふるさと号」は2両編成。前方と後方に展望室があります。1号車と2号車の座席数の合計は78席です。横は2列+2列で、各座席はリクライングシートで前後にかなりのゆとりがあり、ゆったり座れて、窓も大きいのがいいですね。

アルクマも乗車していました!
前方の映像が社内に流れます。
展望室からは、運転席と前方が丸見え。運転気分を味わえます。
大きな窓は外の景色を十分楽しませてくれます。
雨天でしたが、水田や湖が美しく見えました。

大町駅停車

大町駅で10分停車します。大町駅では、この日は観光ボランティアの男性が一人ホームで、太鼓をたたいて歓迎のあと、大町の観光客に見どころなどを案内されていました。

お客さんと話されていたので、今日はお話しをお聞きできませんでした。
大町駅には、「写交場」がありました!

白馬に到着

これで、今日の観光列車体験授業は終了。
「ふるさと号」の乗車は快適で、雨の日にもかかわらず、アルプスこそ見えなかったけれど、
観光科の授業は「おもてなし」場面が多いが、それだけでは半分足りない。
生徒自身も観光を体験し、自ら「旅」を実践できる人でなければなりません。

今の時代は、若者たちの旅行が難しいですね。車社会だと、車を持てる年頃まで旅に出ることがない。家族旅行はあるかも知れないが、私たちの高校時代は、国鉄の周遊券とヒッチハイクで、高校生だけで、無銭旅行をしたものでした。時刻表さえあればどこにでも行けるそんな気がしていましたが、こう鉄道が分断され、ローカル線の廃線が論議され、青春十八切符で金沢から糸魚川まで来れなくなり、新幹線が幅を利かせるようになると、旅の風情も変わりますよね。それが、進歩? ウェルビーイングなの?

アルクマは終点南小谷まで行きます。
お疲れ様でした。