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コーディネーター・アラジンのブログ #130 最終回

Closing Chapter of My Blog Journey

この1年あまり、白馬高校や寮での様々な出来事や、白馬周辺の自然を紹介しながら、私が魅せられた白馬高校の魅力を発信するブログをお楽しみいただき、ありがとうございました。

 現在、白馬高校では9名の生徒がコロナでしばらく中断していたニュージーランドの語学研修に出かけています。現地から断片的に生徒が送ってくれた写真を見る限り、すっかり楽しんでいるようですね。帰国報告が楽しみです。

現地でハカ(先住民マオリの伝統的踊り)の講習を受ける白馬高校生


 私も教員時代には、オーストラリアに生徒の語学研修の引率で3回ほど出かけ、向こうの先生の家にホームステイさせてもらいました。そして現地の学校と姉妹校提携を結び、その後も長く交流が続いています。生徒たちは慣れないホームステイと異文化の生活に戸惑いながらも、たくさんのことを学んで帰ってきました。多感な年代にこうした刺激はきっと後の人生に役立つでしょう。こうした企画は、学校が独自にその気になって取り組まなければ生まれません。白馬高校では、海外研修等に対して、白馬村と小谷村からの支援があり、生徒の経済的負担が軽くなり、参加しやすくしています。

 私はちょうど8年前に白馬高校が国際観光科を設置したときから、白馬と大阪の二拠点生活を始め、国際観光科の1期生から交流があります。この8年間に、アルもジャスミンも白馬という地域について多くのことを学びました。毎年他府県の中学校を卒業した生徒がたくさん入学し、地元中卒でも、幼いころ親と一緒に移住してきたという生徒もいます。そういう訳で、この地域にはいろんな人たちが集まってきてコミュニティーを作っているので、多様なエネルギーがあふれています。もちろん海外からの移住者も1割以上います。
 村は国際山岳観光地を目指しているので、新しい観光業を模索する動きも盛んで、冬の雪山だけでなく夏の観光にも力を入れています。

 私は、3000メートル級の山々が目の前に広がり、里山では縄文時代から続いていたであろう人々の暮らしの歴史があり、竪穴式住居跡や古墳や戦国時代の山城も多く確認されています。大自然の環境に溶け込んだ太古からの人々の暮らしの中で作られた里山や半自然草原などに辛うじて懸命に生き残っている動植物が足元にいるこんな白馬という地域に魅せられています。
 願わくば、都会や海外の人たちが、こうした人と自然の調和の歴史に興味を持ち、旅のひとときをこの地で過ごしてくれたらと願います。

 なかなか若い人たちはサイバー空間の中で楽しむことに魅力を感じることが多いのですが、白馬のフィジカル空間で、美味しい空気と季節の変化を味わい、川でイワナに触れ、山でカモシカやライチョウに出会い、そば畑で蜂の羽音を聞き、雪の結晶を覗き込み、登山や滑走で汗を流すことに喜びを感じて欲しいですね。

見出し画像の「変ずれば即ち通ず」は、以前勤務先の同僚の書道の先生が私の転勤の際にプレゼントしてくれたものです。何かに行き詰ったとき、仕組みを変えたり、見方を変えたりすることで、違った未来が開けます。それは、新しい冒険の始まりでもあります。

私は、この3月でコーディネーターや学習支援員、寮スタッフという3つの掛け持ちの職を退きますが、今度は地域住民の一人として、白馬高校に関わりたいと思います。
白馬高校はどこよりも地域に開かれた学校ですから。

それではみなさん、また会う日まで! 再見!
              白馬高校魅力化コーディネーター・アラジン


サイバー空間での私、アルです(笑)