Green point of view 2

 ゆるく揺らめく波が、全身を撫でていくような感覚がして、やわらかいクリーム色の光が広がっていく。
「朝か……」
携帯を見ると、何件もメッセージが来ている。そのうちの1件には、こう書かれていた。
「緑くん気持ち良さそうに寝てるから、先に出るね! サンドイッチつくっておいたから良かったら食べてね! また連絡する!」
俺は、無造作に部屋に散らばったTシャツをつかんでそれを着ると、テーブルの上のサンドイッチを一口かじる。
「ふーん。おいしいかも……」
俺は冷蔵庫にあるオレンジジュースを飲んで、またベットの上に寝そべった。まとわりつく細かい朝の光を追い払って、俺は今日までが期限の課題曲の楽譜を見る。
「なんかな。もっと愛がないとなあ。うまく弾ける気しないな」
あふれているメッセージの中から真白ちゃんのメッセージを見つけて、俺はメッセージに返信した。自然と微笑んで、俺は携帯をベッドの上に投げ捨てる。カラフルな星がくだけ散って、あっという間に部屋中に降りそそいだ。
「あーこれだ」
俺はそうつぶやいて、またあまったるい愛が揺らめくときの音を探しに行く。課題の楽譜を鞄につっこんで、清潔感をできるだけまとって学校へ急いだ。また世界がぐらついたような気がする。そう、俺はこれを望んでいるんだ。

   そして、ガラス玉の中でいくつかの瞳がまばたきした。

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