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電車に乗りたいメンズ

休日のお散歩コースに、最寄りの駅がある。
田舎すぎず都会すぎず、30分おきに上下線が2本見られる、そんな駅。
フェンス越しに電車に向かって手を振るのが子供たちのブームだ。

あるとき、特急に乗る女性が一生懸命手を振る子供たちの姿に気づき、一生懸命に手を振ってくれたこともあった。車両を間違えたようで慌てて乗り込んでいたが、子育てがひと段落した世代が息子たちに優しく接してくれるのを見ていると、いつかは自分もこうなろう、と強く意識する。彼女たちの優しさに救われている「母親」は数知れないだろう。

上り電車が手前側のホームなので、「ばいばーい!!!」と叫んでいる子供たちに、最後車両にいる車掌さん(と呼んでいいのだろうか)はたいてい手を振ってくれる。
たった一瞬だが、その一瞬が何よりも尊い瞬間になるのが息子たち。
テンションは上がり、次の行動への指示もすんなり聞いてくれる。
いつも助けられているのはここでもやはり母親である私たち。

前回のお散歩の日。
前日から降り続いていた雨が直前になってようやくやみ、こちらもお散歩コースに含まれている公園は絶望的だった。
多少お金はかかるが、今日は駅の構内で電車を見送ろう、ということで入場券を購入して、いつもはフェンス越しにみる電車をホームで見送ることになった。

「でんしゃのりたい!!!」と泣き叫ぶ息子がいたが、それは予想していたことだったので割愛しておく。

いつもよりも近い場所で見られることに大興奮。ホームの上からしか見られない線路や積んである石、反対側にある下りのホームにも興味を示していたので、この選択はなかなかよかったんじゃないかと私も大満足。

時間的な都合で、見送るのは最後、となったとき。
5両編成の上り電車だった。
ホームの端の方にいたので、正面から電車をみることができた。電車の正面をみることもなかなか貴重な経験だったと思う。
発車のベルがなり、手を振る息子たち。
そんな彼らを見つけてくれた運転手さんが、なんと、少し手を振ってから汽笛を鳴らしてくれたのだ!

ぷぉん、と鳴り響く音に、驚いたのか「うるさい!」といっていたが、これこそ貴重な経験。
必ずといっていいほど手を振ってくれる車掌さんに、素敵な演出をしてくれた運転手さん。
JR東日本の方々には感謝してもしきれない。
次に駅構内に入るときは、電車の旅を息子にプレゼントしなければ。

いただいたサポートはクリエイター活動費として当てさせていただきます。大きな金額になったらネタ提供元(息子)へ還元予定(おもちゃ)です。