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図書館に行ってきた 5

脇役スタンドマバイミー 沢村凛
脇役は記憶に残らない。ミステリーでは最初に出てきた脇役っぽい人が犯人だったりするけれど。登場頻度が高いのに、名前もあるのに全く気づかなかった。
それより、全員集合したとき、誰の名前も記憶に無かった自分に驚いた。ただ1人、読めない苗字を字面で記憶していて、それでやっと気づいた。
読みやすく、上手くまとまっていて、穏やかに読み終えられる短編集?だった。

藪医ふらここ堂 朝井まかて
町医者北村宗哲を読んで、更にこの本を読むと、当時の医者という認識をより深く知ることができる。漢方、蘭方の取り上げられ方なども。
終始いい加減で、でもその実すごい実力者で、裏の善の顔を見せずに、みんなに呆れられている藪医を、物語の中のやり取りだけで実感できる。
物語の最初に主人公の説明から入る小説があるけれど、主人公の行動や台詞だけで読者にわからせる文章力はすごい。

すかたん 朝井まかて
高田郁さんの「あきない世傳 金と銀」を読んでいたので、大坂の商家の仕組みがよくわかる。時代背景を知っていると面白さも増す。江戸と大坂の言葉や味の違いなども面白い。

イルカ よしもとばなな
今まで手を出していなかった作家さん。
この作品は感情の説明がとても多く、メッセージ性が強く、主人公キミコの人生の上辺をなぞるような読み心地だった。サラサラと読みやすく、わかりやすかったけれど、作品に入り込みたいタイプの私にはあまり向いていない気がした。

社会人大学人見知り学部卒業見込 若林正恭
「内省は終わった」と言う若林さんの内省の一端が描かれていた。長い年月こんなに自分を見つめ、分析し、変化していれば、確かに「内省完了」と言えると思った。

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