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体からの要求はシンプル

退院してから体が面白いほど回復していこうとしている。
毎日9時間眠り、しょっちゅうお腹がすく。足りない空気を欲してヒュウヒュウ息をする。
体が勝手に治ろうとして私にいろいろ要求してくる。
「がんばって息をして、たくさん食べて、たくさん寝ろ」
シンプルに、ただ生きるために必要なことだけを要求してくる。
体内の細胞がどんどん増えて、急ピッチで立て直している風景が目に見えるようだ。(もちろん「はたらく細胞」)
食べても食べても体重が増えないのは驚きで、大好きな天ぷらやアジフライなどの揚げ物を心ゆくまで食べた。

1ヶ月経ってようやく睡眠時間が7、8時間になり、食欲も落ち着いてきた。息のコツをつかみ、残った肺で充分動けるようになってきた。
肺機能を高めるには運動が必要なので、スクワットやピラティスを無理なく始めている。
老犬の散歩は日に日に時間がかかるようになり、全くウォーキングにはならないけれど、それこそただ生きているだけの者同士、毎日のんびりのんびり歩いている。


今回の肺がんは17年前の(つい半年ほど前に寛解と診断され通院を終了した)乳がんの転移だとわかった。
まさか15年以上経って、右胸から肺左上葉へ、ピンポイントで転移するとは。しかもリンパなどには全く転移せずに。
ひとつひとつはステージ1くらいのものだけど、転移となるとステージ4になるという。1+1=4って。
「肺がん」も「肺転移」と名称が変わる。
肺転移となると、例えガンが肺にあったとしても乳がんの薬を使うことになるらしい。なので肺がんの病院とはオサラバして乳がんの病院に戻ることになった。


あるサイトに、ガンは場所によって意味があると書いてあった。
乳がん(右)は「男性と張り合う」
肺がんは「諦めがくすぶっている」

私は高校の頃から男性を敵視していた。理由はよくわからないけれど、たぶん自意識過剰だったんだと思う。「あの頃の近寄るなオーラはすごかった」と言われたことがある。結婚してからも夫以外の男性は苦手で、当時は姉の旦那さんや義妹の旦那さんともあまり話せなかった。
そして「諦め」は家事育児で自分らしく生きて来なかった、いつのまにか「諦め」ていたことへのメッセージかなと思った。ここ数年はnoteにも書いてきたように「くすぶっていた諦め」をガンガンぶつけて「諦め」ずに快適な生活を手に入れた。
私には何となく思い当たるフシがあって、でも両方をクリアしたのでたぶんもう大丈夫だ。何が?

そうそう、ワクチンも無事に1回目を受けられた。
細胞たちがついでに働いてくれた。若干「はたらく細胞ブラック」なのかもしれない。すまない。


さて、だんだん涼しくなってきて、庭の柿も色づいてきた。これからは老犬と車で出かけたり、美味しいものを探しに行こう。また「秘密の場所」へも行こう。あの鷹がきっと待っている。



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