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身元保証人・身元引受人とは?

入院や高齢者施設に入所するときに、身元保証人・身元引受人を指定するよう求められることがあります。しかし、引き受けてくれる方がいなくて困っている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、身元保証人・身元引受人の役割や、引き受けてくれる人がいない場合の対処法についてご一緒に見ていきましょう。


身元保証人・身元引受人とは?

①緊急の連絡先
②入院・入所生活の支援・保証(入院・入所の準備・手続き、入院・入所中に必要な物品等の用意、設備・備品等の破損、他の患者・入所者等に危害を与えた場合の身元保証等)
③料金の支払い保証(料金の支払いが滞った場合の債務保証)
④退院・退所の支援(退院・退所の準備・手続、私物の引き取り、病床・居室の原状復帰、退院・退所後の生活支援)
⑤死亡時の遺体・遺品の引き取り・葬儀等

入院や高齢者施設等に入所するときに、上記のような役割を担う方を身元保証人・身元引受人といいます。

病院・施設によっては、「身元保証人・身元引受人」(①②④⑤の役割を担う方)と経済的な「保証人」(③の役割を担う方)をそれぞれひとりずつ立てることを求めるところもあります。

医療行為の同意権は含まれない

判断能力が無い、あるいは低下している方に対する医療行為を必要としている場合、病院や施設は身元保証人・身元引受人となった方に対して、医療行為の同意を求められることがあります。

しかし、厚生労働省の「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」によると、医療行為の同意については本人の一身専属性が強いため、身元保証人・身元引受人に同意権はないと考えられています。これは後見人についても同じです。

引き受けてくれる人がいない場合は?

身元保証人や身元引受人は、友人や知人が就くことも可能ですが、一般的には配偶者や子、兄弟姉妹などの親族が就くことが多いです。

しかし、身元保証人・身元引受人を引き受けてくれる人がいない場合はどのようにすればいいのでしょうか。ここでは3つの方法をご紹介します。

保証人不要の病院・施設を選ぶ

1つ目は、保証人不要としている病院や施設を選ぶ方法です。

ただし、保証人不要をうたっていても、実際には保証会社を紹介されたり、保証会社と提携していて保証サービスの利用料金を上乗せしているところもあります。

病院が保証人がいないことのみを理由に入院を拒否することはできません。このことについては、厚生労働省から「身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて」という文書が出ています。

保証会社を利用する

2つ目は、保証会社の高齢者サポートサービスを利用する方法です。

高齢者サポートサービスの内容は、各社によってそれぞれ異なります。上記で紹介した身元保証人・身元引受人の①~⑤の役割のほかに、日常的な金銭管理、財産管理、死後事務等も行っているところもあります。

保証会社を利用する場合は、ご自分の支払能力や必要とするサービスの内容、保証会社の信頼性を見きわめて選ぶ必要があります。

成年後見制度を利用する

3つ目は、成年後見制度を利用し、後見人がいれば入院・入所できる病院・施設を選ぶ方法です。

成年後見制度とは、本人の判断能力が不十分になったときに、後見人が身上監護や財産管理を行う制度です。

お元気なうちに自ら後見人となってくれる方を選んで契約を結ぶ任意後見制度と、判断能力が不十分になってから裁判所が後見人を任命する法定後見制度の2種類があります。

後見人は、本人に代わって契約や手続き、支払い等を行います(法律行為)。そのため、緊急時の病院や施設等への駆けつけや、退院時の付き添いなどは、原則として業務の範囲外です。

なお、後見人は身元保証人・身元引受人にはなれません。そもそも身元保証や債務の弁済等は後見人の本来業務ではなく、また、利益相反に該当する可能性が高いためです。

まとめ

身元保証人・身元引受人を引き受けてくれる人がいない場合、病院や施設側から保証会社の高齢者サポートサービスを利用を求められることがあります。

高齢者サポートサービスの内容は、各社によってそれぞれです。ご自分が必要とするサービスを提供しているか、ご自分にとって不要なサービスを利用するように勧めてこないか、保証会社の信頼性などを見きわめて選ぶようにおすすめします。

終活・生前対策について、疑問や不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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