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エンディングノートとは?

「エンディングノートを買ったけれど、何を書いたらいいのだろうか」「親にエンディングノートを書いてほしいと頼んだけれど、縁起でもないと断られてしまった」などと困っておられる方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、エンディングノートとはどのようなものかや、作るうえでのポイントなどをご一緒に見ていきましょう。


エンディングノートとは?

エンディングノートとは、認知症などで判断能力が衰えてしまったときや、亡くなった後に備えて、自分に関する情報や希望を記録するノートです。

なぜエンディングノートを作るの?

エンディングノートの役割は大きく2つあるといわれています。

ひとつは、自分自身のためです。備忘録・覚書として、また、今後のことを考える役割があります。特に、遺言書を作る前にエンディングノートを作っておくと、作業がスムーズに進められます。

もうひとつは、ご家族や関係者に自分に関する情報や希望を伝える役割です。そのため「もしも」のことがあったときに、ご家族やパートナーなどに読んでもらうことを前提に書く必要があります。

どんなことを書く?

エンディングノートには、大きく分けて「自分の過去・現在・将来のこと」「財産のこと」「終末期や死後のこと」の3つのことを書きます。

自分の過去・現在・将来のこと

  • 基本情報:自分の氏名・生年月日・住所・本籍地、家族・親族関係、自分の趣味・好き嫌いなど

  • 自分史:生まれたときから現在までどのような人生を送ってきたか、これからの過ごし方の希望

  • 親戚・友人・知人の名簿:自分にかかわる人の氏名・連絡先・関係性など、任意後見受任者、遺言執行者、自宅のメンテナンスを頼んでいる人、財産の管理を頼んでいる人などの氏名・連絡先

  • 医療・介護:持病、病歴、入院・手術歴、服用薬、かかりつけの病院・薬局、ケアマネージャーなど、健康保険・介護保険

  • ペット:ペットの名前・生年月日・種類・性別、性格、健康状態、生活習慣、かかりつけの動物病院の連絡先など

財産のこと

  • 預貯金:金融機関・支店名・口座番号など

  • クレジットカード:カード会社・カード番号など

  • 借入れ:借入先の金融機関・借入額・返済期間・口座など

  • 保険:保険の種類・保険会社・保証内容・口座など

  • 年金:年金の種類・受給開始年齢・受給額・口座など

  • 不動産:所有している土地・家屋の所在地、不動産の権利証・契約書類・図面の保管場所など

  • 金融・投資商品:金融・投資商品の種類・運営会社・投資金額・口座など

  • デジタル機器・サービス:パソコン・スマホなどデジタル機器のID、インターネットサービス・SNSなどのID

  • 重要書類:遺言・後見契約・死後事務委任契約などの作成日・保管場所など

  • その他:形見分けをして欲しいものなど

終末期や死後のこと

  • 医療や介護:告知や延命治療などの医療に関する希望、どのように介護してもらいたいかの希望

  • お葬式:宗教、葬儀場所、形式、規模、知らせたい人・知らせたくない人など、菩提寺や所属教会の連絡先、遺影(ノートに貼りつけるか、保管場所を書いておく)、慶弔記録

  • お墓:先祖代々のお墓、既に購入しているお墓・管理している親戚のお墓の所在地・連絡先、散骨や永代供養など葬送方法の希望

  • ペット:万一のときにお世話をしてくれる人・次の飼い主の名前・連絡先など

  • 遺品の処分:写真・手紙・パソコンなどの処分方法の希望

  • 残された人たちへのメッセージ:感謝や後事を託すメッセージなど

はじめから書かなくてもよい?

市販のエンディングノートには、書く項目がたくさんありますが、いきなりはじめからではなく、書けるところから書き始めて構いません。

まずは「自分の過去・現在のこと」や「財産のこと」から書き、これまでの歩みを振り返ってみることをおすすめです。

自分で書けない場合・親がなかなか書いてくれない場合は?

年を重ねると文字を読むのも、書くのも大変になってきます。そのようなときは、ご家族や関係者がその人の話を聞きながら、代筆することをおすすめします。

代筆した場合は、代筆であること、代筆した方のお名前や日付を記録しておくとよいでしょう。

エンディングノートを作るポイントは?

年1回は見直す

誕生月など年1回は読み直し、状況や気持ちに変化がある場合は書き換えることをおすすめします。

特に医療に関する情報は、適切な医療・介護サービスが受けられるように、常に見直し、必要に応じて更新するとよいでしょう。

遺言書と矛盾しないようにする

エンディングノートには法的な効力はありません。遺言書を作っている場合は、法的な効力がある遺言の内容が優先されます。

しかし、遺言の内容とエンディングノートの内容に矛盾があると、遺族が迷ってしまうかもしれません。

エンディングノートを書いているなかで、状況や気持ちの変化がある場合は、あわせて遺言の内容も見直すことをおすすめします。

他人に対する恨み言を書かない

特定の人に対する恨み言は書かないことをおすすめします。文字にすると何度でも読み返せるため、読んだ人につらい思いをあたえてしまうかもしれません。

どこに保管したらいい?

「もしも」のときに知らせたい情報が伝えられるように、ご家族やパートナーなどがすぐに探し出せる場所に保管しておき、必要に応じて保管場所を伝えておくとよいでしょう。

ただし、プライバシーにかかわる大切な情報が書かれているため、誰かに悪用されないように、他人の目にふれるところには置かないようにしてください。

まとめ

「エンディング」というと、どうしても「終末」「死」という言葉が思い浮かんでしまいますが、エンディングノートは、これからの人生をより良く生きる、安心して老後を過ごすためのノートです。

エンディングノート作成についての疑問がありましたら、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!^ ^