見出し画像

内容証明郵便とは?

「セールスマンが家にやってきて、商品を押し売りされてしまった」「元夫が何ヵ月も養育費を払ってくれない」など、日々の暮らしにはトラブルが付きまといます。

そこで今回は、トラブルを防ぎたい、あるいはこれ以上大きくさせたくないときに用いる内容証明郵便についてご一緒に見ていきましょう。


内容証明郵便とは?

郵便局が「いつ」「誰が」「誰に対して」「何を伝えたのか」を証明してくれるサービス

その手紙を出したことの証拠を残さなければならない、大切な手紙を出したいときに利用します。

どんな効果がある?

証拠にしたり、相手に対して心理的圧力をかけられる

内容証明郵便を利用すると、受取人は「そんな手紙は受け取っていない」「そんな内容は書いてなかった」などと言い逃れができなくなります。

クーリング・オフのように、いつ申込みの撤回や契約の解除を申し出たかが重要なポイントになる場合にも、有効な手段になるでしょう。

また、一般的な手紙とは異なる形式で書かれており、「この郵便物は令和○年○月○日第○○号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。日本郵便株式会社」 という認証印が押されます。

このようなことから、内容証明郵便そのものに強制力があるわけではありませんが、受取人に心理的なプレッシャーをかけられます。

そのため、裁判を起こす前の最後通告として利用されることも多いです。

どんなときに利用する?

・契約の取消や解除
・時効の援用
・債権の譲渡
・遺留分侵害額の請求
・未払い家賃・賃金・養育費などの請求
・損害賠償請求
・相続手続開始の通知など

ただし、上記のようなケースに当たる場合でも、内容証明郵便を出すとかえって問題が複雑化する可能性もあるので、内容証明郵便で送るか、一般郵便で送るかを慎重に見きわめる必要があります。  ・

どのように手紙を作る?

・内容証明郵便(紙)
・電子内容証明郵便(e内容証明)

内容証明郵便

【字数・行数】
縦書きの場合:・1行20字以内、1枚26行以内
横書きの場合:・1行20字以内、1枚26行以内
       ・1行13字以内、1枚40行以内
       ・1行26字以内、1枚20行以内
2枚以上になったときは、ステープラやのりでとじて、そのつなぎ目に差出人の割印(契印)を押します。

【書き方】
数字、句読点、記号も1個1文字として数えます。
文字の訂正は、間違えた個所を2本の線で消し、正しい文字を書き加え、欄外に「何行目何字削除、何字加入」と書き、押印します。
資料や写真は同封できないので、別便で送ります。

【通数】
同文の手紙文を3通用意します(コピー可)。
・1通目:差出人用
・2通目:受取人用
・3通目:郵便局保管用

【持っていく物】
内容証明郵便を取り扱っている郵便局に次のものを持っていきます。
・手紙文(同文のもの:コピー可)3通
・宛先を書いた封筒1通(封をしない:郵便局での手続後に封をするため)
・差出人の印鑑(訂正印が必要になることがあるため)
・料金分のお金

電子内容証明郵便(e内容証明)

電子内容証明郵便(e内容証明)は、インターネットでいつでも発送ができます。

郵便局指定の雛形(Word)を利用して手紙を作成し、Webゆうびんの専用Webサイトからファイルをアップロードすると、郵便局が印刷から発送まで行ってくれます。

紙の内容証明郵便のように、割印も、3通用意する必要も、封筒を用意する必要もありません。また、料金はクレジットカード払いができます。

手紙を作るときの注意点は?

・一旦差し出すと撤回ができない
・相手に配達されると記録に残る
・書いた内容に誤りや、不明確なところがあると問題が複雑化する

内容証明郵便は、一旦差し出すと撤回ができず、相手に配達されると記録に残ります。

経緯や事実に誤りがあったり、期限や根拠が不明確であったり、誤記などがあると、問題が複雑化したり、受取人に有利に利用されてしまう恐れがあります。

そのため、文面に書く内容をしっかりと推敲し、差し出す前に何度も読み返して確認をするようにしてください。

できれば第三者の専門家に一度相談・チェックしてもらうことをおすすめします。

行政書士に手紙の作成を頼める?

当事者間で対立がなければ行政書士で対応できる

内容証明郵便の作成は、行政書士の業務のなかで「権利義務に関する書類の作成」のひとつと位置づけられているため、行政書士にご相談・ご依頼いただけます。

ただし、行政書士がご依頼を受けられるのは「まだ対立しておらず、トラブルにならないための内容証明郵便の作成」とご理解ください。

当事者間で対立(紛争性)がある場合は、弁護士法に触れる恐れがあるため、行政書士は取り扱うことができません。このような場合は、弁護士の先生を紹介させていただくことになります。

まとめ

内容証明郵便そのものに強制力はありません。しかし、その証拠力や心理的な圧迫力で、訴訟になることを食い止める効果が期待できます。

ただ、手紙の作り方には細かいルールがあり、文面の書き方によってはかえって問題が複雑化するリスクもあります。

内容証明郵便について疑問や不安がありましたら、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!^ ^