怪文書


有る街の朝

準工業地帯のマンション。
何だか騒がしいと思い目が覚めた。
何の音なのか?眠たい頭で軽く耳を澄ますと、近くの部屋からのモールス信号で目が覚めたようだ。何年かに一回、Wカップよりは長い感覚でスパイが見つかる街だ。そんなに不思議な音じゃない。
だが私にとってそんな事はどうでも良く、妙な音に起こされたせいで何だか負けた気分になり腹立たしいので軽く吠えてみた。今日はダックスフンドの気分だ。どうやら効果は覿面。すぐに音は止んだ。
勝利から始まる朝は心地が良い。勝ちにこそ価値が有る。負けにはそれに至った理由が横たわっているだけだ。時にはその理由を分析するのも良いが、せっかくの休日。しかも、近所のパチンコ屋のイベント日だ。勝つ事以外は考えたくない。
理由だとか何だとか言ってる割には風水の様な嘘も少し頼る人間の様だ。
親愛なる隣人諸君に勝った優越感に浸りながら、最近景品で手に入れた韓国製のトースターで焼いたパンを齧る。
少し火力が強過ぎるせいか苦味が有るがそんな風味も朝の眠気覚ましには丁度いい。
髭を剃った、顔も洗った、服も着替えた。あとは勝ちに行くだけだ。そう思い外に出た。すると、見覚えのあまりない人間が立っていた。
私は少し怪訝そうに「おはようございます」と挨拶すると、相手は無言で刃渡りが20センチはあろうナイフを体に真っ直ぐ差し込んできた。声も出ない。
そんな突然の殺人事件。
アクサダイレクト ならこうなります。
参ったなぁ、こんなところで…。
誰か—‼︎‼︎
あ、そうだ…。
アクサダイレクトなら、位置や登録情報を瞬時に把握。
スタッフが迅速に駆けつけてくれる。
「コレがチームアクサ一丸の対応力」
頼れるね!
さあ、自動車保険の見直しはアクサダイレクト‼︎

終わりに
滑り込みさせて頂きありがとうございます。

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