底辺絵師は神絵師の顔CPに勝てない

ただの愚痴です。どこにも吐き出せなくて苦しいのでここに書きます。

私の好きなCPは原作でも常にセット扱いで隣に寄り添うような描写が多い2人だ。

更に受けに対する攻めの感情がクソでかい。台詞はほとんど受けに関することばかりで常に受けについて語っているし、自分の人生を変えたのは受けだとも名言している。

※ここではわかりやすく攻めをAくん、受けをBくんとする。

この2人、付き合ってるの？？と言う感想はよく見るけどジャンル内では描き手が少ない。主人公の敵キャラだし、出番もそれほど多くない。主人公側と比べると圧倒的にファン数も少ないように感じていた。

ツイッターでCP名を検索すると、「A×B好きなのに作品全然ないよね〜」といった呟きをちょくちょく見かける。

きっとこういう層が見たい作品は商業をやっているような絵が上手い人が描いた作品なんだろうな…。少ないとは言っても界隈には私を含めて定期的にA×B作品を挙げている人はいたが、この人達の言う「A×B」に数えてもらえていないのだ。

確かに他CPには商業作家をやってる人や壁になるような大手サークルが沢山いたが、自CPにはそういった人がいなかった。でもどの作品もキャラクターに対しての考察やキャラ愛が深くて大好きな作品ばかりだった。

自分で言ってて悲しくなるが…私は底辺絵師というやつで、いいねやRTはいつも少ない。本を出しても毎回大量の在庫を抱えて帰る。でもA×Bが好きだから描き続けられた。

そんなある日、ジャンル内で圧倒的人気を誇るキャラクター(※Cくんとする)の界隈の神絵師がとんでもない作品を投稿した。

A×Cだった。

AくんとCくんは正直、顔面偏差値で言ったら贔屓目なしに作品内トップ2という感じのイケメンで並ぶと華があるし、どこか商業BLっぽい妖艶さはあった。

だが！！この2人の接点はほぼない！！直接会話したことはないし、なんなら同じコマにいたこともない。

遠くから目があったことがあるという程度で、所謂完全な“顔CP“というやつだった。

でも神絵師の神イラストと連日あげられる漫画のおかげでA×Cはあっという間に人気CPになった。

神絵師の友達は神絵師が多い。A×Cがバズった事で周りのCくん界隈神絵師達も次々に乗っかってイラストを描き出した。

Cくん界隈ではD×Cという人気CPがあったが、D×C前提のA×C(完全な当て馬)や、そこから派生して更に関係性の薄いA×Dまで人気になって作品がたくさん投稿された。

作品につくコメントは「2人の顔がいい」「この2人の並び最高！」「原作でもここで絡んでほしい」「Aくん、Cくん側の仲間になればいいのに」

いや…確かに顔面はいい。並んでるだけで華があるし、画面が幸せなのはわかる。

でも…

Bくんのことを心から想い、Bくんの為に毎日努力して日々成長し、戦っている姿が尊くて美しい。Bくんがいたから今のAくんがいる。それがAくんの最大の魅力で、原作で語られている最高な部分だと思っていた。

それが「Cくん側の仲間になれば良い」ってなんだ。Bくんと共にCくん側の、AとBからしたら敵である存在を倒すために毎日血の滲むような努力をしてきたじゃないか。その原作の描写は、あの努力の日々はまるっと無視するつもりなのか？顔がたまたま性癖に刺さったというだけで？

キャラクターの努力や想いを、心臓とも言える重要な部分を全て否定された気がした。

Aくんが今までAくんなんて見向きもしなかった人たちに顔がいいだけの都合のいい棒のような扱いをされているのが悔しくて悲しくて、1日何時間も引き篭もって絵の練習をした。少しでも上手くなってA×Bの魅力を伝えたかった。

TLで盛り上がってる人気アニメやゲームも見ずに、A×Bのことだけ考えて描き続けた。

前よりは上達したかなと思い、考察を含めたA×Bの長編漫画を描いて投稿してみたが、反応は神絵師の投稿したA×Cの半分以下だった。

「メインじゃないけどA×Bは好き」くらいの温度感でフォローしてくれていた人たちはみんな連日神絵が流れてくるA×Cを好きだと言い始めた。

Aくんの名前で検索してもほぼ作品がなかったのに、Cくんを好きな人達がよく描くようになった。

Cくん界隈の神絵師の「落書きです」というAくんのイラストは、私が何時間もかけて描いたAくんのイラストの何倍もいいねがついている。Cくん界隈の人たちはのきなみフォロワーが4桁〜5桁だ。見てくれる人の数も違いすぎる。

「このコマのAくんは絶対Cくんを意識してるよね！」「これは目でセックスしてる！」

そんなわけないだろ。敵の情報としてCくんの名前を挙げただけで、敵として警戒してチラッとCくんを見ただけで、なんでそんな事を言われないといけないのか。

「Aくんって変態っぽそう」という妄想ツイートにたくさんのいいねがつき、Aくん変態妄想で盛り上がるA×C界隈の人達。

やめてくれ。Aくんのキャラクター性なにも掘り下げてないくせに。大切な推しを汚さないで。

初見では気づかなかったけど、何回も読んでいるうちに気付いた小さなコマの端、AくんがBくんとの約束の言葉を刻んだものを身につけているシーンがある。お前らはそれを見つけられたのか。そんなに好きだと言うなら隅々まで目を通しているはずでしょ。Aくんが誰を1番想っているか、原作をしっかり読めば描いてあるじゃん。もしかして原作読んでないんですか？

なんて…言いたいけど二次創作なんだから、その人達の創作や楽しみを邪魔する権利はない。A×Bだってこっちが勝手に恋愛させてるだけだ。

「A×Bが王道って言われてるけどマイナーCPだからって負けられない！」「私たちがA×Cを王道にする！」と連日タグ祭り。グッズのイラストで隣同士になっただけで「ほら、やっぱりA×Cは公式！」とお祭り騒ぎ。

A×Cが好きだから、というより“A×CというマイナーCPでも推せる自分“が好きなんじゃないの？とも思えてしまった。それくらい2人への愛が感じられるツイートも作品も無い様に感じた。

「A×Bの人ってAくんの相手はBくんだけって決めつけてる感じがして苦手。Aくんに失礼」「公式グッズABセット多すぎ。Cくんと並べたいからAくん単体グッズにして欲しい」「Bは邪魔だよね」

何でそんな事言われなくちゃいけないの？

引用RTでAくん単体の絵にCくんとの絡み妄想を書かれたこともあった。

Aくんのことを深く掘り下げずネタ扱い、棒扱いしている神絵師とそのとりまきたちのツイートが拡散され、「それがAくんだ」というおかしな認識が公式であるかのようにどんどん広がっていく。

A×Cの作品は、まるでBくんの存在が最初から無かったか、邪魔者扱いのように書かれているものばかり。

そもそもAくんが主人公側の仲間として描かれているものもたくさん投稿されていた。

地獄だ。

毎日時間を決めて絵の練習を続けていたがいいねは増えなかった。

私の画力じゃA×Bの魅力を伝えられない。絵ではなくプレゼンに切り替えてみたがあまり効果はなかった。

その間にもA×C界隈は「神絵師の二次創作で興味を持った」人で賑わっていく。

そりゃ文字と図のプレゼンなんかより綺麗なイラストの方が目につきやすい。

作品に対抗するには作品で対抗するしかないというが、自分の画力がないばかりに推しの魅力を伝えられないどころか顔CPにすら負けてしまう。

絵が上手くなければ、絵が上手い人が描いた原作ほぼ無視のオリジナルBLみたいなCPにも太刀打ちできないのだ。つらい。

顔カプなんて生み出すなら似たようなオリジナルキャラを作って創作してくれれば良いのに。

結局最初にA×Cを投稿した神絵師は1年も経たず他の人気ジャンルに移行した。

それと同時にA×Cで盛り上がっていた人達も人気ジャンルに移っていった。

あなた方の言う愛って一体何だったのか。推しをただの玩具にされた気分だった。

神絵師が消えてもA×Cという概念は残り続け、新しくきた神絵師がそれを描く。

A×C界隈だけでなくCくん界隈の人も、Cくん自体も嫌いになっていく。このままじゃ精神的に良くないと判断し、ワードミュートもブロックもして、見ないように自衛した。けどそれでもたまにすり抜けて流れてくるのを止めることができない。

描いても描いても圧倒的人気キャラと、人気キャラについてる神絵師が大声で提唱する「Aくんのキャラクター論」に勝てない日々に憂鬱になって私はジャンルから離れた。

いつか神絵師が現れて、A×Bが流行ってAくんの正しい認識が広まってくれたらいいなと願う。

この投稿が顔カプ好きな人の目についたら「絵が下手なやつの嫉妬」とか「創作は自由」の一言で片付けられてしまうんだろうなぁ。

※この記事は私の作品や私の解釈を見ろ！！という話ではなくて、顔CP神絵師が原作設定無視の二次創作をすることで推しのおかしな認識が公式であるかのように広まってしまうこと、そしてたいしてキャラのこと好きでもなかったにわか信者が公式設定やその公式設定を重視して創作したものに攻撃したり、幻覚を公式だ！とのたまって騒ぐ行為に腹が立つのにそれを言うと逆に凶弾されることにモヤモヤする！という話なのでそこは勘違いしないで欲しい。

自由って言っても限度があるじゃない。「ご自由にどうぞ」って書いてあるフリーペーパーとか飲食店の調味料全て持ち帰る人いない、みたいな。

確かに私達腐女子がやってることは等しく「原作の改変」かもしれないけど、できるだけ原作に沿ってこのキャラクターならこうする、こう動く、この感情があるからこの答えに行き着くはず…と考えてつくった物と、私がこうしたいから原作とは全然違うけどこうしました！と性癖だけでつくった物は別物だと思う。

1人でも共感してくれる人がいたら嬉しいな…。