広くて深い夢女の世界 Part2 個人サイトの衰退

Part1をご覧の皆様、Part2をご覧くださりありがとうございます。
前回は夢界隈の黎明期についてお話しさせていただきました。

さて、今回は夢界隈が黎明期を過ぎ、ランキングと検索除けによって夢界隈内でも一般人とも棲み分けされ、夢玄人であればサイトの雰囲気で自分の好みの話を書くかどうかわかる能力を持っているようなころを経て地獄の時代に移ろうまでについてお話しさせていただきたい。

htmlエディタを使ったりメモ帳をhtml形式保存して作られた個性豊かな個人サイト時代(時々小説内にBGMが流れるサイトもあった)から、学生でもガラケーを持つようになったころ、携帯小説が流行した。

用意されたテンプレートを使うことでhtmlに疎くても手軽に名前変換小説を書いて見やすい個人サイトを作ることができる、魔法i〇んど、森、ナ/ノが主に台頭していた。とくに夢界隈でナ/ノは少しhtmlやCSSの知識が必要だったため、使用者の年齢層が高く、夢作品の内容も質が高いと囁かれていた。

作家数が増えれば、作品数も増える、作品数が増えれば地雷も増える。
しかし心強い有志たちによって、作家側が同じ趣向の夢読者と出会えるように、夢読者側が読みたい夢作品にたどり着けるように検索サーチエンジンはいくらでも増えていった。

作品が増え地雷が増えても、地雷作品は自ら避けるもの、近づかなければ爆発しないということは変わらない。
それは二次創作だけでなく、どんな作品にも言えることだが、どんなに検索除けしようが注意書きしようが、不特定多数の人の目に見えるところでこんな妄想垂れ流すな気持ち悪いという人と、自分が好きではなかったり解釈が違う作品に関して一切許せずに自分が嫌いなものを根絶させようとする無茶な人は一定数いる。

もちろん配慮に配慮を重ねてほとんどの夢女が隠れていたいたこの時代にもいた。

そう、どんなに気を付けようと地雷絶許チンピラと暇人はやってくる。

基本的に、地雷に文句を言う人間、あるいは二次創作に文句を言う人間は暇人だ。
忙しい人はそもそも原作作品や二次創作見てる暇がないし、見てる暇があっても文句をいうほどの時間はない。いつの時代もどんなアンチもアンチは暇人がやることだ。

そしてそんな暇人が寄って集って日ごろのうっ憤を晴らすためだろうか、それとも理由なんてなかったのか、嫌いな二次創作作家がいたのか、とにかく色々な理由があったりなかったりしていわゆる晒し行為を始めた。
匿名なため、夢界隈の人間なのか、他の女オタクなのか、はたまた男オタクなのか、オタクや二次創作が嫌いな一般人なのかはわからないが、おそらく中の人は多種多様なのだろうというのが晒しサイトを見た私の印象だ。

夢界隈だけでなくBL界隈でもあったことだが、とにかく隠れていた二次創作作家たちをわざわざ掘り起こしに行って、晒すのが好きな人たちが集まって作品をこき下ろす掲示板にURLを貼るようになった。
もちろんその掲示板にURLを貼ったことをメッセージで作家に直接お知らせするという最低な手法も使っていた。

インターネット上でHNを使い他の人から自分という存在の情報が限られた中でこそできる創作もあっただろう。どんな趣向であれ、二次創作作家にとって作品は間違いなく自分の持ちうる能力をかけて作り出した熱意のある作品だ。たかが二次創作といわれても、それを作るための時間も苦悩も存在する。現実ではないからこそ、満たされる感覚、自分が面白いと思ったifの物語、自分が好む性癖を赤の他人に晒されて馬鹿にされて貶されるのは、それはある意味自分の好きだけが詰まっている二次創作だからこそ、傷つくものだ。

しかも、相手が匿名で一方的かつやり返す事もできない状況ともなれば精神的に病んでしまう人も多かった。

時間をかけて作った個人サイトをそういう形で閉鎖した人が私の周りでも多くいた。
本当に信じられる人だけに一切をパスワード制にし新規ユーザーを受け入れない形の新サイトを教えるという人もいたが、その中にファンなりすましの晒しがいて目も当てられない人もいた。

そういった晒し行為と荒し行為が横行し、今もまだ原作自体がマイナージャンルの物や更新履歴の最後が数年前というような中の人が編集IDとパスワード紛失した疑惑の化石個人サイトもわずかに存在しているが、

残ったのは元々隠れていない人たちだけになった。

隠れている人を晒すことに快感を感じる人々にとって、元々隠れていない人は対象外である。この時代で元々隠れていない人の場合に限って、そもそもアンチに強いメンタルを持っていた。

そして時代は流れ元々隠れていない夢女の生き残りたちは、時代と共にSNSの波に乗っていった。

次回、SNS時代の夢作品についてお話しさせていただきたいと思います。















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