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SAQAのCertificateという高い壁

南アフリカの大学や大学院に進学する際に多分ほとんどの場合、 SAQAのCertificateと言うのが必要になる。SAQAはSouth African Qualifications Authorityの略称であり、資格について管理をしている国の組織と思われる。海外含めどのレベルまでの教育を受けているのかを証明もしてくれるため、大学に応募する際に提出が求められる。過去の成績と卒業証明とともに受験の際に提出する。日本でもこのような仕組みがあるのかよくわかっていないが、国によって教育システムが違うので、それを証明するモノとして、理にかなっているとは思う。

実は2018年の段階で一度SAQAのCertificateの取得を試みた。南アフリカの大学は1月から新しい学年がスタートのだが、タイミングよく自分も1月に南アフリカに越す予定だったので、そのタイミングから大学に通いたいと思い、日本からアプライを試みたのだ。がしかし、このCertificateを取るのに恐ろしく苦労した。多くの人は苦労しないのかもしれないが、僕はとても苦労した。(実際、南アフリカで知り合ったコンゴ民主共和国の友人は簡単に取れると言っていた。)英語のスコアが足りなかったということもあるが、SAQAのCertificateも全然間に合わずで、結局日本からはアプライすらできなかった。南アフリカに留学しようと言う人なんてそんなにいないとは思うが、日本語で誰も記してくれていないので、これを機会に取得の方法を記す。

1.オンラインで登録、支払いを済ませる。
まず、自分の英語読解力の問題からどれが海外の学位の証明になるのかわからず苦戦した。以下のリンクから自分のアカウントを登録し言われるがままに進め、支払いを済ませれば問題ない。
https://dfqeas.saqa.co.za/dfqeas/user/home

2.必要な書類をダウンロードする。
Application for the evaluation of foreign qualificationsに以下をSAQAに送れという指示が書いてある。以下の5つ書類をちゃんと送ることができればSAQAからCertificateが無事に届くことになる。
 1. Application form
 2. Proof of identity
 3. Proof of payment
 4. Consent form
 5. Qualification documents
1. 3. 4. は簡単である。1.はダウンロードして出力。3. はPayment Confirmationのメールの出力で問題ない。 4.は出力し必要事項を記入するだけである。

3.パスポートと卒業証明書をCertifyする。
自分のはまったのは、上記提出書類リスト2.と5. である。こちらは公証役場でコピーを外国分認証をしてもらえば問題ない。自分は以下の行政書士の方にお願いした。(行政書士の方によれば、自力でもできなくもないとのことだった)
https://www.cut-bell.com/
そんな簡単なことを何故はまったのかと言われればそれまでなのだが、僕はまず、コピーを取りそのまま送った。その後、Ceritifyされた書類のコピーを送れとの連絡がきた。僕が送ったのはCertifyされてないパスポート、卒業証明書だったのかよ。Certifyされてないパスポートってそんなの使えるのかよ。とその時点でまず混乱した。何度かメールでやり取りした結果、Certifyされたコピーを送れと言う意味だったことをようやく理解した。(Certifyされたは書類にかかる形容詞ではなく、コピーにかかる形容詞だった。)しかし、どうやってコピーをCertifyすればいいのかわからず、数週間滞った。その間色々と検索していて以下のウェブサイトにたどり着き、パスポートは公文書だろうということで外務省で公印確認をしてもらい、駐日南アフリカ大使館に持って行ったが、そんな認証したことないと断られた。(ただ、それができたとしても、僕が行っていた大学は独立行政法人だったので卒業証明書が公文書とならないため、卒業証明書はいずれにしてもどうするべきかわからなかった。)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000548.html
もうダメだ。やり方が全然わからん。と思った時に、「パスポート認証」みたいなことググった結果、公証役場でそんなことをやってくれること、行政書士がそれを代行してくれることがわかり、取得に至った。とにかく、これが全然進まなくて泣きそうだった。そうこうしているうちに、アプライの時期もとっくに過ぎていた。

4.準備した書類をSAQAに送る。
指定された住所に送るだけなんで、簡単だろうと思うだろうが、そうでもない。日本から送る場合は注意が必要である。なんせ、南アフリカの郵便システムは日本の様には機能していない。送っても届かないのだ。1回目EMS(国際スピード郵便)で送った。これが全然届かない。トラッキングしてみると、南アフリカに入国してから全然動く気配がない。こうして1ヶ月以上が経過し諦めた。ということで、次にDHLで送ることにした。送る段階で気づいたのだが、指定住所がPrivate Bag(私書箱)となっておりDHLだと送れない。SAQAの住所SAQA House, 1067 Arcadia St, Hatfield, Pretoria, 0028 にメールで問い合わせした際に返信をくれた人の名前を書いて送付したら受理された。なお、DHLでも届くのに2週間くらいかかった模様。

5.SAQAからCertificate of Evaluationの書類が届く。
届いた時とても嬉しかった。かつて通った大学の合格発表よりも全然嬉しかった。下手したら、人生で5本の指に入るくらい嬉しかった。ポジティブに捉えれば、SAQAのおかげで自分の人生稀に体験できぬ達成感を得ることができた。ちなみに、SAQAにはじめてアクセスしてから6ヶ月取得するまでに時間がかかった。自分の事務処理能力のなさに呆れる。

自分の苦労を伝えたいがために冗長に書いてしまい申し訳ないが、今後SAQAに苦戦する人がいなくなることを心から祈っている。もしかして、こんなことに苦労するのは僕くらいなのかもしれないし、そもそも南アフリカの大学とか行く人なんていないかもしれないが。

どうでもいいが、SAQAについてはこれだけでは話が終わらない。この苦労して取得したSAQAのCertificateを大学に提出したところ、3ヶ月以内に発行されたCertificateでないと受け付けないとリジェクトされた。(応募の時期は6月からなので自分が取得してから半年が経過していた。)ということで、再度南アフリカにて申請するはめになった。取得する時期も考慮にいれる必要がある。なお、南アフリカでのSAQAの取得は警察や郵便局でコピーのCertificateをしてくれるため、とても簡単である。

ところで、この文章を読み直して、学部時代の卒業論文に上記の様な苦労した部分、はまった部分などを加え冗長な文章で提出したところ、これは論文ではないと助教授にリジェクトされたことを思い出した。まるで成長が見られない中年である。

写真はSAQAの原本。この紙切れを取得するのにどんなに苦労したことか...

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