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SUZUKI choinoriのススメ

20世紀、未来のバイクとしては最弱バイク、SUZUKIのchoinori(チョイノリ)。
 
その存在は知ってはいたが、基本スクーターには興味がなかったので詳しくは知らなかった。
 
そんなチョイノリと出会ったのは忘れものしない、いつだっけ?10年チョイ前になるのかな?
出張中の宿でヒマ潰しに某ヤフオクを眺めていた。
ふと「なんかこのへんで、持って帰れる安いのないかな?」と調べ始める。
そこでヒットしたのがオレンジのチョイノリだった。
車両の状態は、エンジンはかかるが吹けないという状態。
どうせキャブだろうと思い、その日に落札し、翌日引き取りに行く。
 
そこで初めてチョイノリについて調べる。
それまでは安いスクーターということしか認識していなかった。
安いスクーターということは、当然2ストだと思っていたら、まさかの4スト。
しかもOHV。
発電機かよ!?
パワーはなんと2馬力と、必要充分なハイパワー。
駆動系は従来のスクーター同様CVTだが、リアホイールはチェーンで駆動する。
自分でも何を言ってるのかわからなくなってくる。
リアにサスペンションなどなく、メットインなどの便利スペースもない。
 
なんだこれ?面白いじゃないか!
 
修理をするために調べていくと、なんと!エンジンの吸排気バルブを動かすためのカムが樹脂!つまりプラスチック。
オイル交換を怠るとプラスチックのカムが摩耗し、バルブが充分に開かなくなる。
それがエンジンはかかるものの、吹けない原因だ。
いちいち面白いな。
 
チョイノリはその名のとおり「チョイノリ」のために作られたマシン。
ちょっとソコまで。で乗ってる人がオイル交換などろくにしないのはアタリマエ。
2ストのスクーターでも2ストオイルを足さずに焼き付かせてしまうなんてのはよく聞くハナシ。
スズキの誤算は、一般スクーターユーザーはオイル管理などしないということだ。
巷にはこのようなチョイノリが溢れることになる。
そのおかげで当時は非常に安く手に入った。
もちろん要整備だが。
 
カムを交換するにはエンジンを一部バラさないといけないが、オイル交換を怠ったエンジンなので、当然カム意外にも致命的ではないまでも酷い状態なのは明白。
全部バラしてリフレッシュしよう。
 
全部バラして、要交換な部品を全て交換してもたかが知れてるのがチョイノリの良いところ。
バッチリ調子良くなり公道を走れるようになる。
 
そして全国からチョイノリストが浜松に集まる「チョイノリ聖地巡礼」に参加。


北は北海道、南は九州まで、全国のチョイノリストと仲良くなったのが運の尽き。
その日のうちに2台目、黄色いチョイノリを落札してしまう。
 
黄色いチョイノリはオレンジと同じような状態。
同じように復活し、林道仕様のチョイノリRになる。

4台のチョイノリRが剣山スーパー林道に集結。


遅いながらも林道を進む。


下りで全開走行してたら前転。大破させてしまうが完走。


その後も何度も剣山スーパー林道を走破している。
 
浜松のジャパンヒートエックスというミニモトコースでチョイノリのワンメイクレースがあるというので参加。

最初はオレンジで出たが、ジャンプを跳ぶとフレームが曲がってしまい専用機、黒いチョイノリXを用意する。

簡易的とはいえサブフレームを付けたので、こんなに跳んでもフレームはあまり曲がらない。少しは曲がる。跳んだからって速くないけど、跳ぶと子供たちにウケるんだよね。

オレンジはフレーム交換して、ツマのツーリング専用機になる。
ツマも、どうせ浜松まで行くんなら出たいと言うので、白いチョイノリを用意。
どうせ跳べないのでサブフレーム付けたり、軽量化したりしない。

遅いけど楽しんでいるのでよし!

このように、スズキが想定していなかった使い方しかしていないが、バイクって交通などの道具である前にオモチャだと思っているので、これも正しい。

部品点数の少ないチョイノリは整備体験にちょうどいい。

整備ド素人3人に、エンジン全バラから、走れるようになるまで整備をさせる。


予定より時間がかかったが、復活し越前海岸で運用されている。
 
これをきっかけに、もっと整備をしてみて欲しいが、1年何もしてないから全部忘れちゃっただろうな。
 
このように、超初心者からベテランまで、遊び倒せるバイクがスズキのチョイノリです。(?????)
 
こんな面白いバイク、また作ってくれませんかね?スズキさん。
 


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