春の終わり、夏の始まり 5
唯史はスマートフォンを手に取り、画面を美咲の目の前に差し出した。
「これ、説明してほしいんだけど」
静かに、冷静に、唯史は言った。
画像を見た瞬間、美咲の表情が一変した。
一瞬の沈黙のあと、美咲は戸惑いを隠せずに、
「これは、これは…間違いよ、私じゃない」
急いで言うも、その声は震えており、画像から目をそらす。
唯史は冷静さを保ちつつも、内心では怒りと失望が渦巻いていた。
「間違い?そんなわけはないよね?どう見ても、これは美咲だよね?」
唯史の声が、次第に冷たさを増してい