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けん引二種免許を取得したので日本唯一のトレーラーバスに乗ってきた

2022年6月、私はけん引二種免許を取得しました。

引・引二の部分です

これをもって、私は日本で運転免許が必要な
車両全てを運転できるフル免許ホルダーとなりました。

ただ、ぱっと見て、

「歯抜け多くね?ほんとに運転できるの?」

こんな疑問がでてきます。

運転免許の種類欄は、大二(大型二種)・大自二(大型自動二輪)
大特二(大型特殊二種)・けん引二(けん引二種)
の4つが埋まっていれば、全て運転できます。

全ての欄を埋める必要はないのです。

しかし世の中には全ての種類欄を埋める、
いわゆる『フルビット』を目指す人たちもいます。
これを達成した人には尊敬の念しかありません。
本当にすごいと思います。

けん引二種取得についてはブログにまとめているので
興味があればのぞいてみてください。


日本で唯一

そもそも、
「『大型二種』や『大型自動二輪』はわかるけど、
『大特二種』や『けん引二種』を取得して何が運転できるの?」
という疑問は当然わいてきます。

大特二種は免許が必要な車両が日本国内に存在しません。
事実上マニア専用免許ですね。実用的な取得意義がないわけでは
ありませんが、今回は省略します。

しかしけん引二種は、車両が存在します。
東京都日の出町と西東京バスが運行するトレーラーバス『青春号』です。

機関車デザインで存在感抜群

日本で唯一のトレーラーバスで、
日本で唯一運転に『けん引二種』が必要な車両です。

よく見る大型トレーラーやタンクローリーは
『けん引一種』で運転できます。
しかしトレーラーバスは、乗客を乗せるため二種免許が必要になり
『けん引二種』が必要となるわけです。
ちなみに最近よく見る『連節バス』の運転に『けん引二種』は不要です。
『大型二種』のみで運転ができます。

ここからが本題

せっかく『けん引二種』を取得したので、
いつか乗りにいきたいなぁとずっと考えていましたが、
今回、やっと実現にこぎつけました。

というわけでとある平日の午後、
都内から1時間15分電車に揺られてJR武蔵五日市駅に降り立ちました。

遠かった

トレーラーバス『青春号』は
JR武蔵五日市駅~つるつる温泉を結ぶ路線を走っています。
同じ区間を普通のバスも走っていますが、
トレーラーバスに限ると運行間隔は1~2時間に1本。
基本的に午後からの運転です。午前中の運転はありません。

普通のバス 謝る必要はあるのか

バス停で待つこと20分…

ロータリーに入ってきました
車体をゆっくり折り曲げて到着

トレーラー中央部のドアから乗り込みます。

車体前方は2×2のクロスシート

普通のバスとは違い運転士さんの他、車掌さんが乗務しています。
車掌さんが乗っているバスというのも今どきなかなかお目にかかれない
ので、希少価値をさらに引き上げています。

後方は3方シート

車内は全体的にレトロで、天窓もついています。
レトロな内装に対して、停留所や運賃案内用の液晶画面がついていたり、
料金箱もICカードに対応していたりと、先進的な一面も備えています。

トレーラーバスならではの注意書き
最後部だけ多摩弁の注意書き

定刻になり車掌さんがドアを閉めて、運転士さんにブザー合図を送る。
バスがゆっくり動き出しました。

バス自体は観光を強く意識したような作りですが
路線自体は生活路線なので、途中の停留所からは
地元の方の利用も普通にあります。私が乗った時間帯は
ちょうど通学の時間と重なったようで、
地元小学生の乗り降りが頻繁にありました。
降車ボタンが押された時、停留所で止まる時、発車する時など
運転士さんと車掌さんが逐一ブザーで連携をとっていた姿が
とても印象に残っています。

バスはどんどん山の中へ

トレーラーという特性上、段差やブレーキなどで揺れを感じやすいので
正直乗り心地はいいとは言えません。
しかしただでさえレアなトレーラーバスが、機関車の形をしていれば
インパクトは抜群です。実際私みたいにバスに乗りに来たと思われる
お客さんも数名いました。

バスの旅は20分くらいで終了です。

後ろから見ても迫力抜群

終点のつるつる温泉はアルカリ性単純泉の天然温泉で
入るとお肌がつるつるになります!

周辺はハイキングコースが整備されているので、
ハイキングの帰り道に温泉に立ち寄り、トレーラーバスで帰ってくる
というコースもいいですね。
むしろそちらがメインターゲットのようですが…

このトレーラーバスですが、車両老朽化のため
2023年3月31日で運行終了が発表されています。

これで『けん引二種』を必要とする車両も
日本国内から消滅してしまうことになります。
さらに世の中では自動運転が実用化されはじめていますので、
そもそも運転免許が要らなくなる時代もすぐそこまで迫っています。

乗り物好き、運転好きにとっては悲しい現実ですが、
これも時代の流れですね…

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