宮沢孝幸先生より(このワクチンのmRNAは分解されにくいように加工されています)
スパイクタンパク質に対する抗体の量でmRNAワクチンの有効性を議論するから、珍妙な理論が出てきてしまうのだと思います。それは知識不足の人に対する「だましの」高等テクニックです。大手メディアもそれにまんまとだまされていますし、ウイルス専門家すらもそれに加担しています。裁かれるべき案件。
mRNAワクチンの中に含まれるmRNAは、私たちが作り出すmRNAとは異なる物質でできていています。通常、mRNAは細胞内のセンサーによって認識され、速やかに分解されますが、mRNAワクチンのmRNAはセンサーに認識されない(にくい?)ために、分解がゆっくり進みます。
mRNAワクチンの粒子の中に包むことができるmRNA量は限られていて、通常のmRNAでは十分量のタンパク質の合成には至りません。そのためにこのような人工的(自然界では存在し得ない)mRNAを使っています。
不思議なことに細胞内のセンサーは、自分のmRNAとウイルスのmRNAを区別しています(すべてではないと思いますが)。認識されたmRNAはすみやかに分解されていきます。まだ報告はないと思いますが、本来のコロナウイルスのスパイクタンパク質のmRNAも認識されているかも知れません。
私が知りたいのはセンサーに認識されにくいmRNAが細胞内に入ったときに、細胞がどのような反応を示すのかということと、その後にウイルス由来RNAへの反応性が変わるかどうかです。あえて擬人的に言うならば、認識されないmRNAが細胞内に入ることで、センサーが変調をきたさないのかということです。
細胞内のセンサーも複数あり、細胞内のmRNA認識機構もわからないことばかりです。この辺りの研究は最低あと20年くらいはホットだと思います。分からないことばかりなのに、自然界に存在し得ない人工mRNAを細胞内いれても、自然免疫応答には影響を及ぼさないと主張するのは違和感があります。
このmRNAワクチンは新しい試みであり、わからないことはたくさんあるということは確かです。科学的興味は尽きませんが、いきなり多くの人で試みることには反対です。このmRNAワクチンの安全性に関しては、知識をもった人々が集まって、真剣に議論すべきだったと思います。一旦中止にすべきと思います。
とんでもないことを人類はしてしまったのではないかという思いもあります。大げさかも知れませんが。
宮沢孝幸