井上正康先生より

1970年大阪万博の年に大学院の1年生だった筆者 は、安全なワクチンを創る目的で大阪大学へ内地留学 させて頂いた。遺伝子工学技術の飛躍的進歩により、 病原体のスパイク蛋白等を大腸菌で簡単かつ安全に量 産する事が可能となり、私の興味も感染防御学や活性 酸素学へと移っていった。2020年にパンデミック騒動 に出会い、その出口がワクチンになると考えて半世紀振 りにワクチン学を学び直した。最初に目に入った“遺伝 子型ワクチン”の技術的進歩に驚いたが、直ぐにそれ が免疫防御学の根本原理に反する『ミスコンセプト』 である事に気付いた。 『病原体の侵入路である粘膜や皮下組織に微量の抗原 分子を接種して免疫系を刺激するのがワクチンの基本 原理』であり、“抗原を産生する細胞は感染細胞”とし て免疫的に排除される。アストラゼネカ社のDNA型ベ クターワクチンでは「体内で遺伝子を組み換えて抗原 分子を産生させる仕組なので自己免疫疾患を誘発する 事」が予想される。案の定、アストラゼネカ社のワクチ ンは接種直後から多くの死者を出し、北欧では直ぐに 使用中止された。行き場を失った約8,000万本の消費期 限直前のワクチンが日本枠に割当られた。その経緯を 知っていた故・安倍首相はそれを国民に接種させなかっ たが、中国との緊張関係でワクチンが入手困難だった 台湾へ約300万本を譲渡して高齢者施設などで多くの 死者を出した。日本との友好関係を重視せざるを得な い台湾政府は「貴重なワクチンは在台日本人に優先的 に使わせて頂く」と丁重に礼を述べて大人の対応をし た。ワクチンを激推していたメディアや専門家はこの事 件を契機に『DNA型ワクチン』に関して一切言及しな くなり、アストラゼネカ社製ワクチンは忘却の彼方に封 印された。 当初、“mRNAワクチンは直ぐに分解されるので安 全”と説明されていたが、これは嘘である。塩基ウラシ ル(U)をメチル化されたmRNAは、酵素RNaseで分解 されずに長期間スパイクを産生し続ける。又、“主に接 種した筋肉局所でスパイクが産生される”と説明され ていたが、これも嘘である。細い注射針でも筋肉細胞 より何百倍も太いので、細胞外に漏れたワクチン液の 大半は筋肉のポンプ作用で総リンパ管から左側の頸静 脈内に流入する。この流入時期は接種して30分~数時 間後であり、この際にアナフィラキシーショックが起こ りやすい。ワクチン粒子の表面は細胞膜融合促進剤の ポリエチレングリコール(PEG)でコーティングされて おり、体内では全ての細胞に取り込まれうる。筆者は 熊本大学時代に“PEGを結合した蛋白質の血中寿命が 何万倍も延長する事”を論文で報告している。血中に 流入したワクチンの多くは異物を処理する肝臓や脾臓 に取り込まれる。次に多く取り込まれるのが骨髄であ り、ここでは大量の血液細胞が毎日産生されており、そ こで産生されたスパイクが血中に1年半以上も放出され 続ける事が論文で報告された。次に多く蓄積するのが 卵巣、副腎、そして睾丸の精巣上体である。これらの 臓器でスパイクを産生する細胞は免疫的に攻撃され、 卵子や精子を造る細胞が障害されて不妊症や無精子症 になる可能性が高い。事実、ドイツの健康成人男子が ワクチン接種140日後に死亡して法医解剖され、精子 が無い睾丸で多量のスパイクが産生されていた事が論 文で報告された。接種した女性では月経異常や不正性 器出血が激増し、世界中で妊娠や出産率が激減してい る。日本では2年前まで毎年約100万人の赤ちゃんが産 まれていたが、接種開始後の2年間は80万人しか生ま れておらず、今年は更に減少する予定である。ワクチ ンを接種した高齢者の死者激増により、全国の火葬場 は1週間近い順番待ちのパンク状態である。ワクチン 接種率の高い海外でも同様の現象が見られ、オースト ラリアや英国の流産率は74%に激増している。 病原体のタンパク質を遺伝子で体内産生させる mRNAワクチンは“根本的なコンセプトミス”である。 これは半世紀近く失敗し続けてきた“遺伝子治療薬” であり、“ワクチンと詐称することにより緊急承認さ せた詐欺的欠陥商品”である。全ての病原体に対して mRNA型ワクチンを使用してはならない。 しかし、免疫学の初歩的ミスに気が付かない視野狭 窄的研究者や経産省は、原発事故で無人地帯と化した 福島県南相馬市に「明治ファルマと米国企業アルカリ スの工場」を建築中であり、本年夏からフル稼働する 予定である。経産省の第一次募集では他に多くの企業 (AGC、KMバイオロジクス、JCRファーマ、第1三共、 タカラバイオ、富士フィルム、エリクサジェン、阪大微 生物研究所、広島大学、ニプロファーマ、藤倉コンポ ジット、藤森工業、ヤマサ醤油、ロキテクノ等)が助 成金を貰い、二次募集でも医薬基盤・健康・栄養研究 所、名古屋医療センター、北海道大学、大分大学など が採用され、日本が“mRNAワクチンの巨大生産基地” となりつつある。 この様な遺伝子ワクチン開発ラッシュを尻目に、 “mRNAワクチンに含まれてはならないプラスミド DNAが大量混入していた事やファイザー社製品にはワ クチン製造に不要な癌ウイルスSV40の遺伝子まで混 入していた事”が明らかにされた(Kevin Mckernan, 2023)。プラスミドDNAが混入したワクチンは遺伝 子組み換え薬で極めて危険である。更に、明治ファ ルマから「スパイクのmRNAを細胞内で増産するレプ リコン型ワクチン」の承認申請が出されている。この 自己増殖型ワクチンは微量のmRNAで使用可能であ り、短期間に日本国民全員分を製造可能である。富 士フィルムのレプリコン型ワクチンを用いる米国VLP Therapeutics Japan社は、日本人でその安全性や有効 性の第1/2相臨床治験と第3相比較試験を予定してい る。半世紀に及ぶ筆者の研究経験から、このレプリコ ン型ワクチンは武漢型mRNAワクチン以上の悲惨な薬 害を激増させる可能性が予測される。米巨大製薬企業 の傘下で泥舟と化した日本政府は、国民を見捨ててル ビコン川を渡ってしまった。

作成5月27日 15:04
大阪市立大学名誉教授井上正康

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