盗むこと について

エックスへ投稿したポストについて、自分のことば足らずもあって数名のフォロワーさんからお声かけいただいたりと余波を生んでしまったのもあり少し書こうと思う。

はじめに言っておくとこのポストは特定の個人に宛てたものではなく、この投稿の前夜に自分が投稿した「類想」についてのポストの関連として書いたものです。

そもそも類想について書いた背景としてはきわめて個人的なことで、わりと近く総合誌上で発表された短歌作品のなかに自分が未発表として持っている歌とかなり近いイメージのものがいくつかあって、自分とその作者の方は知り合いではないので(あえて強い言葉を使うと)パクられたとかパクってしまったと思っているとかでは決してないんだけど、自分の歌を表に出せないことが悲しく、悔しく思ったというところが発端でした。
ことばは有限なのでそれは仕方ないことだけど、少なくとも誰かのことば(創作に限らず、ネットの投稿やインタビューや直接の知人との会話なんかもそう)とあまりに近しくなっていないか自分に問うていきたいといった自戒の面が大きいです。

なお、最初に個人宛てではないと書いたのですがこれまで"無意識の類想"で問題になった場面を目にしたり、あとは自分自身も指摘しないまでも知っている作品にかなり似ているなというものを別の人が発表するところを何度か見たことがあるので、そういうことの当事者だった方が頭に浮かんでいたというのはあります。

上記の考えに加えて最近、
 もし、クローズなところでやりとりをした詩歌に似たものを先行して「自分のものです」というように出されてしまったら打つ手がないよな
だったり
 「あなたが恋人についてポストしていた内容が良かったのでモデル(下敷き)にして短歌連作にしちゃいました!」というのは盗作とはいえないにしろ自分の中では大大大アウトです
というようなゆく宛のない気持ちがずっとあり、それでああいうポストをしました。

自分が実際にクローズでやりとりさせてもらっている方は皆創作に真摯な方で、(しつこいようですが、あえて…)パクるといったことをすると思っているわけでは決してないです。
ただ、そういうことは自分のことに限らずいつかどこかではあるだろうなと思ってはいます。無意識に似てしまったというのを含め。

ふたつめの「盗作」については自分自身も完全に自分の手でつかめることのみを書いているわけではないので、こちらも自戒を込めて。
見聞きした情報から、自分自身の感覚や想像をして届く範囲を超えたことを書くのはその「見聞き」の当事者である誰かを傷つけることになりませんかというのはもうずっと、常に思っています。
誰かの創作やことばや人生に影響を受けて書くというのは、それを片手で摘んで囓って、盗むことになりませんかという先にポストしたこととほぼ同じ内容ですが。

影響を受けたり自分自身でないことを書くのをやめましょうというのではなくて、「盗む」ことにならないよういま一度発表するまえに本当に自分のことばなのかどうかを確かめてみる。わたしはそうするし、あなたもそうであってほしいという、そういった気持ちの一連のポストでした。


つらつらと書いてしまったのですが、決して個人を糾弾したり特定の創作をする人たちを批判したいという内容ではありません。
ニュアンス伝わるでしょうか。伝わっていると嬉しい…。

ふだん一分一秒常にこういうことを考えて何か作ったり人と接しているわけではないんだけどね🦤
気さくです、本当に🪅🎆
SNSはあまりに気軽で、ことばに溢れているのでそれに対するおそれみたいなものが最近強いかもしれません。

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